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09年度厚生年金保険料収入、減少に転ず

保険料収入約24兆円-年金給付費約43.8兆円=▲19.8兆円

★4年ぶりに運用収益が大幅増で積立金が増えた。
厚労省の方々は胸をなでおろしている09年度の公的年金の収支決算であった。2009年度は04年の年金改正で約束した基礎年金の国庫負担2分の1引き上げ後のものである点が特徴である。
厚生年金の歳入38兆0079億円、歳出38兆7813億円、差引▲7734億円。国民年金の歳入5兆1347億円、歳出5兆3598億円、差引▲2251億円。
これは簿価であり、実際の09年度の運用収益は厚生年金8兆6258億円、国民年金5296億円を加えると、厚生年金は7兆8474億円、国民年金は3042億円の黒字というわけだ。
しかし不吉な予兆が垣間見える決算でもあった。

★8月10日に厚生労働省が公表した「平成21年度(2009年度)収支決算の概要」から、ニッポンの公的年金の財政を知るうえで重要なポイントとなる数字をおさえておきたい。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000j1pd.html


★09年度の公的年金の収支決算の問題点は、収支バランスがそこそこに安定していたはずの厚生年金財政の保険料収入が着実に減少に転じた点である。


★しかも2009年度から国庫負担が3分の1から2分の1に引き上げられた決算である。
厚生年金は「一般会計より受け入れ」という科目で08年度5兆4323億円から09年度7兆7983億と増えた。国民年金は08年度1兆8558億円から2兆554億円となった。


★この国庫負担引き上げは恒久財源はなく、とりあえず国庫の「埋蔵金」からやりくりして「一般会計」に迂回して注ぎ込んだものだ。ここまでは前政権の自民公明党の先送り政策であった。
政権交代した民主党の仕事はこの恒久財源を再構築するところだが、今のところ迷走中である。


★なによりも不吉な点は厚生年金保険料収入の減少と給付費の増大である。
厚生年金保険料収入は08年度22兆6905億円から09年度22兆2409億円、差引減▲4496億円、約2%減である。
対して厚生年金給付にあたる厚生年金の保険給付費は08年度より1兆1539億円増の23兆7500億円、基礎年金にあたる基礎年金勘定繰り入れは08年度より1兆5015億円増の14兆8176億円。
純然たる年金給付総額の09年度は38兆5678億円となっている。前年は35兆9123億円であったから2兆6555億円増、7.3%の急増である。


★国民年金保険料は08年度1兆7470億円、09年度1兆6950億円と差引▲520億円、約3%減であった。国民年金給付費は基礎年金勘定への拠出金を含めた総額では、5兆2162億円で08年度5兆6997億円より4836億円減少となっている。これは国民年金給付費では旧国民年金の受給者が減少(死亡)、基礎年金勘定への拠出金では国民年金の未納未加入者等を含めた実保険料納付者の減少である。


★保険料収入約24兆円-年金給付費約43.8兆円=▲19.8兆円。
これが2009年度のニッポンの公的年金の財政収支状況である。
▲19.8兆円は、税金投入と積立資産の運用収益で賄うというスタンスである。


★税金投入は09年度は9兆8537円であるから、運用収益が約10兆円強が必要となる。
国の税収増がままならない状況がつづくなか、すべては、運任せ、運用任せの年金財政である。
この危うい均衡、どう考えてもどこかで破綻することは野口悠紀雄教授でなくとも誰もが危惧するものだ。

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2010年08月25日 06:16に投稿されたエントリーのページです。

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