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確定拠出年金、なぜカイゼンは進まないのか?

企業年金連合会、2011年度税制改正への要望

★2001年にようやくにして導入された日本版401k、確定拠出年金も制度発足からはや10年が経過しようとしている。
しかし今ひとつ確定拠出年金加入者にとってはなんとも使い勝手の悪い制度として映っている。自動移管者=資産運用放棄者はウナギ登り、60歳の受給年齢になっても年金選択よりも一時金選択が多いといったのが現状である。
確定拠出年金のネガティブな制度不全は、制度の施行法をちょっと改正すればかなり改善されるはずだが、旧政権自民公明党時代も今の民主党政権も余りにも確定拠出年金には関心は薄い。制度カイゼン策は2010年4月から非課税限度額を少しひきあげただけで、根幹のところではまったくカイゼンの意気込みはない。
そこで、企業年金連合会は2011年度税制改正に対する確定拠出年金カイゼン案を提言している。

★今回の企業年金連合会のカイゼン要望案には、自民党麻生政権から民主党鳩山政権にひきつがれるも未だにたな晒しになった法案が幾つかある。
このうち下記の「法案化されている事項の早期実現」を冒頭にかかげている。

1.企業型確定拠出年金の加入者負担の掛金拠出の導入。
2.60歳以上の厚生年金被保険者が引き続き65歳まで確定拠出年金に加入できるようにすること。
3.中途脱退者の脱退一時金受給要件の緩和。

上記内容については、本誌ブログの下記掲載。


http://nenkin.co.jp/lifeplan-blog/news/archives/2010/02/10-090257.php

http://nenkin.co.jp/lifeplan-blog/news/archives/2009/12/15-063450.php

★2010年版「企業年金連合会の2011年度税制改正への要望」は上記の他に5点のカイゼン案をあげている。


1.拠出限度額の見直し
他の企業年金(厚生年金基金や確定給付企業年金)がある企業の従業員の確定拠出年金掛金の限度額は、他の企業年金がない企業の2分の1とさだめられている。


他の企業年金がない場合の非課税限度額は月額5.1万円 ・年額61万2000円。他の企業年金がある場合にはそれは、月額2.55万円 ・年額30万6000円である。


他の企業年金がある場合もない場合も給付水準を考慮されていないわけだから、「拠出限度額を一本化」することを要望している。

2.脱退一時金受取要件等の緩和
「外国人の帰国に伴う資格喪失に際して、脱退一時金受取を認めることを検討する必要」と要望している。
もう一歩踏み込んで、社会保障通算協定を結んでいる国同士なら「確定拠出年金資産の国際移換」制度にしてもらいたいものだ。


3.加入者範囲の拡大、掛金拠出ルールの緩和
・確定拠出年金がなく確定給付企業年金のあり企業に勤める会社員が個人型確定拠出年金に加入できるようにする。
・専業主婦等も個人型確定拠出年金に加入できるようにする。


4.企業年金の制度変更、制度の違う会社に転職・転籍した場合の「制度間資産移換」の柔軟性
・確定拠出年金中途退職者の企業年金連合会の通算企業年金への移換を可能にすること。
・確定給付企業年金や確定拠出年金への資産移換ができる資産に、適格年金の制度廃止にともなう分配金、退職一時金制度、中小企業退職金共済等を加えること。
・退職一時金制度から確定拠出年金に制度変更した場合に一括移換を認めること(現行は4年から8年)。
・中小企業退職金共済への加入要件から外れた場合に確定拠出年金への制度変更・資産移換を可能とすること。
・合併や制度変更にともなって中小企業退職金共済から脱退した場合に確定拠出年金への資産移換ができるようにすること。


5.労使合意による運用商品の除外
確定拠出年金の運用商品として組んだ或る運用商品を除外する場合「加入者等の権利を尊重しつつも運用商品の除外を可能」として欲しいとある。また、「新規買付のみを凍結」できるようにするともある。


現行の確定拠出年金では、或る特定の運用商品を除外する場合には、加入者全員の同意が必要とある。
これを労働組合との合意、または事業主の判断で「除外」を決められるのかは、この企業年金連合会の税制改正要望書では不明。


★しかし企業年金連合会の税制改正要望書には重要な点が抜けている。
これほどに転職・転籍した場合の「制度間資産移換」の柔軟性を要望しながら、資産の「現物移換」を課題を要望していない。
「現物移換」は、それこそ制度10年経過したわけだから、運営管理機関ー資産管理機関ー記録関連期間のシステムの見直しさえすればできない話ではないはずである。


★テンコ盛りの企業年金連合会のカイゼン要望である。ねじれ国会のもとでの民主党管直人首相が掲げる政治方針は「最小不幸を小さく」である。確定拠出年金がめざすものは「最大多数の最大幸福」である。この2つの理念の違いからすると民主党管直人首相は確定拠出年金カイゼンに余り興味は示さないであろう。

★もし、野口悠紀雄教授がいうように「どう計算しても公的年金は2032年に破綻」するとすれば、現在の45歳以下の方々の老後の年金の主体は、確定拠出年金にならざるをえない。
企業年金連合会が要望する程度の確定拠出年金カイゼンも実現できないとなると、本当にこの国の老後は暗い。

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2010年08月23日 06:07に投稿されたエントリーのページです。

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