確定給付企業年金、確定拠出年金、特別法人税復活か撤廃か?
★企業年金や確定拠出年金の積立資産に課せられる特別法人税は2011年3月に凍結解除されることになっている。
特別法人税は正式には「退職年金等積立金に対する法人税」という。2012年度から凍結解除とするか、撤廃するか、この選択によっては今後のニッポンの企業年金や確定拠出年金は大きな影響をうけることになる。企業年金の特別法人税の撤廃を求める要望書が、企業年金連合会から厚労省年金局に提示されている。
★厚生年金基金や確定給付企業年金、確定拠出年金は、拠出掛金非課税、運用収益非課税、積立資産課税、年金受取課税、一時金受取課税が税体系である。
このうち積立資産課税としての特別法人税は積立資産残高に1.173%の税率となっている。1998年の金融危機と年金運用の落ち込みからこの12年間、「凍結」となっている。
★企業年金は公的年金を補完する制度だから積立金まで課税するのはおかしいという主張が経営者側、労働組合側の共通認識だ。
企業年金の中途脱退者の通算年金センターである厚労省傘下の企業年金連合会は、日本経団連とともに、「諸外国を見ても、年金課税が拠出金や積立金に行われることは原則ない」から撤廃して欲しいという要望している。
さらに2010年には、確定拠出年金や確定給付企業年金の新規導入、2012年3月末に廃止となる適格年金の移行の際に障害になるから撤廃が必要と訴えている。
★過去12年間も凍結しておきながら政府と財務省は、なぜ素直に特別法人税を撤廃しないのだろうか?
企業年金積立金課税である特別法人税がゾンビの如く生き残っている理由は何なのか?
その1:掛金を損金、積立期間中の運用益も非課税にしてやっている。そして何十年後の給付時にようやく課税となるが「公的年金等の控除」を適用している。
積立期間中は課税繰り延べ、給付時に一定額控除してあげているわけだから、少しは繰り延べメリットの受益分を国家に還元してもらいたい。
その2:そもそも企業年金や厚生年金基金、確定拠出年金は大企業の恵まれた勤労者が受益できる制度である。拠出時非課税、積立期間中非課税、年金給付は年金控除、一時金は退職所得控除、すべて税優遇するのは、「大企業優遇」と批判されてしまう(これはその昔、旧大蔵官僚が堂々と筆者に言っていたこと)
その3:そもそも日本の企業年金も確定拠出年金も、源流は退職一時金である。
退職一時金しかない会社は、毎年の退職一時金相当分を「退職給与引当金」として積み増しても、その繰入金額全額が「損金不算入」となり課税である。片や企業年金も確定拠出年金も非課税、退職一時金の引当金は課税、これは不公平ではないか。
その4:公務員の退職給付を見よ。厚生年金に薄毛が生えたほどの共済年金上乗せしかない。日夜寝食を忘れて国事に励む公務員以上の企業年金、さらに退職一時金は許せない。
公務員共済の年金以上の年金は課税するのが社会的公平性である。
★企業年金積立金課税である特別法人税の復活理由、理屈をこねればなんとでもなる。
2011年度も2012年度も膨張する歳費、なかなか伸びない税収、増殖する借金国債。
二進も三進も行かない民主党である。
政府と財務省の思惑しだいでは、いつ復活されるかわからない。
2011年度(H23)企業年金税制改正は、この特別法人税は撤廃となるか?
税収不足を口実に復活となるか?
その成り行きを見守っていきたい。
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