民主党年金改革案、どこをどう改革するのか?(その8)
★政権交代、民主党政権の役割は年金問題のオープンな論議を仕掛けることだ。2009年12月24日の「年金資産運用検討会」の「次期中期目標における運用目標について」の意見交換は興味深い内容になっている。これまでの公的年金の資産運用でこうした「常識」的な検証がされることはなかった。
インターネットからも詳細を読むことができる。
http://www.gpif.go.jp/kanri/pdf/kanri02iinkai332.pdf
★現行の公的年金資産運用の論拠:
平成21年度財政検証の長期の目標運用利回りは、2020年以降「長期金利3.7%+分散投資効果0.4%=名目利回り4.1%」である。年金額=賃金スライドであるから「賃金上昇プラスアルファー」というのが、これまでの公的年金運用の論拠であった。これに対する痛烈意見を紹介しておきたい。
★意見1:
「財市場のフローのGDPと資産市場の動きの相関が堕ちてきている。国内のマクロ経済に縛られた運用目標ではなく、運用の世界の状況、金融資産市場の動向に基づいた適切な利回りを目標として設定すべき」
★意見2:
「財政検証の数字は」「足下の財政収支を考慮した内閣府の短期的な見通しと、長期的な年金財政の均衡を考慮した数字をつなげた、木に竹を接いだような数字で現実的ではない」「分散投資効果が0.4%とのことだが、パッシブ運用だけでは得られず、これもリスクの高い運用への要因」(筆者注:公的年金の基本ポートフォリオアのリスクは5.55%)
★意見3:
「賃金上昇率の決定に一番シミュレートする金融資産の複合ベンチマークを作らなくていなければならないが、現実にはそんなことは不可能」「賃金上昇率という運用資産はないので、それに近似するものを見つける必要がある」(筆者注:あるのだろうか?)
★意見4:(10年1月22日、一橋大学の本多俊毅氏の意見書から抜粋)
資産クラスごとのベンチマーク収益率を確保するという現行運用の方針に対して、「全てパッシブ運用にすれば実現。アクティブ運用を行っている理由も不明確」
★かくして、長妻昭厚労相、こうした意見を受け止めたのか、まずは「目標運用利回り」の仮説設定をとりあえず拒否。「『安全・効率的』な運用を求める抽象的な表現にとどまった」と日経新聞2月27日号は書く。
★ところが、長妻昭厚労相の背後から袈裟斬り夜盗あり。なんと同じ仲間の民主党は原口一博総務相であった。(この稿続く)
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