民主党年金改革案、どこをどう改革するのか?(その6)
★2月26日衆議院予算委員会、公明党の前厚労相坂口力さんはポイントをついた質問をしていた。どこのマスメディアも伝えていない。要約翻訳して記す。
「民主党の改革案は2004年の参議院選挙の図と2009年の衆議院選挙の図では最低保障年金の位置が上下逆さまになっている。なぜそうなったのか?」「所得比例年金の保険料15%。勤労者は半分で済むが、自営業者は15%全部負担。ほんとうに自営業者が負担できるとお考えか?」と坂口さん。2004年年金改正時の厚労省大臣、坂口さんは「100年年金安心プラン」の張本人であった。
★「最低保障年金が下辺にあると保険料を払わなくとも最低限の年金をもらえるなら保険料を払わなくとも済むという誤解をあたえてしまう。まず、皆さんの所得に応じた保険料は払うことが前提」と管財務相の答弁。
★「所得比例年金の保険料を払うことで年金保険料の未納問題が解決」とミスター年金、長妻厚労相の答弁。要は、所得比例年金の保険料を幾ばくかでも払わないと、「最低保障年金」もない、というのが民主党年金改革の「本質」だと言明していた。
今後の民主党年金改革、「所得比例年金」は紛糾混迷、百家争鳴、支離滅裂、胡散霧消の可能性をうかがわせる質疑応答であった。
★保険料15%の半分を会社が負担してくれる勤労者は、現行厚生年金よりはラッキーな改正となるわけだが、自営業者は新たな負担となる。
それは、現行の厚生年金の保険料と年金額計算の基礎である標準報酬額方式でも、自営業者には総収入から「みなし所得」をある一定基準で決める方法でも、自営業者には過重な負担と思われることは確実である。ならば、勤労者には「給与所得控除後の所得」、自営業者には「経費控除後の所得」、これでは勤労者には現行より年金減額となり、なぜ今の厚生年金をなくしてまで「所得比例年金」は必要なのか?となる。
★民主党「所得比例年金」、なにがなんでも導入となるならば、勤労者も自営業者も公平な方法を探る必要がでてくるはず。その一つが、勤労者も控除前の「所得」、自営業者も控除前の「総収入」ではないだろうか?
★本ブログは、「所得比例年金」導入の前提は「所得」の定義と範囲の「合意」をはかることが重要と主張したい。これまで、検証してきた「所得」概念ではなんともおぼつかない。
そこで、シンプルにかつ誰もが納得する「所得比例年金」の「所得」を「総年収」にする案が現実的と思う。それは、4案>所得税との一体徴収を制度改革の本分とするためすべての収入を対象にする。勤労所得と従たる所得である利子所得、不動産所得、講演・原稿料など含めた総所得とする案である。
★民主党年金改革案の模範でもあるスウェーデン方式の「所得比例年金」の「所得」に勤労者は「副業」収入まで含めるといわれている。また、会社負担分の保険料には「所得」の上限はない。
現在の厚生年金では、月給62万円、賞与年3回まで一回150万円上限で450万円、年収1194万円以上もその上限金額1194万円に対する保険料で済む。
スウェーデン方式の「所得比例年金」では、本人負担分には保険料上限あるものの、会社負担の対象となる年収には上限はなく保険料徴収は青天井。
もちろん、年金額は従業員が負担した上限の線までに抑えられる。
保険料と年金額が1対1の対応というスウェーデン方式であるが、高給取りの会社拠出分は所得再配分となるようだ。
★総年収を保険料対象にする案では、保険料15%は勤労者にも自営業者にも余りにも過重な料率となるので、なんらかの料率引き下げが条件とならざるをえないであろう。例えば、勤労者15%、自営業者7.5%といったような保険料区分もでてくることもありそうである。
★いずれにしても、民主党「所得比例年金」の導入は、全く新しい税制体系なくしてはすすまない。逆に税制改革なくして年金改革はできないであろうから、先行する税制改正がどうなるかが年金改正を領導することになりそうである。
★3月1日から年金改正論議を開始する、と管財務相は先週の衆議院予算委員会で言明していた。
同日、暴れん坊カメさんこと亀井金融担当相が「所得比例年金」のアキレス腱をよく指摘した表明をしていた。
「自助努力できる人はいいが、どうしても国家の助けがないとやっていけない人をどうするか。我々は民主党の年金改革案を支持しているわけではない」と。
(民主党年金改革案プレ論点整理を試みていきたい。今後、どこが争点になり、我々がウオッチしていくのはどこか?本ブログでは、民主党年金改革案の蜃気楼に眼を凝らし、民主党年金改革、「本気」できるのかどうか?「本気」にやるとするとどこを解決しなくてはならないのか、考えていきたい。本稿は適宜、掲載します)
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