デイリーニュース

« 自営業者「所得比例年金」、「給与所得」をどう補足するのか? | メイン | 「リバースモゲージ」住宅担保型老後資金ローン »

自営業者と勤労者の共通の「所得」は求められるのか?

民主党年金改革案、どこをどう改革するのか?(その6)

★自営業者にも「所得比例年金」、その「所得」の概念を考えていけばいくほど眼がくらんでくる。勤労者も自営業者も、専業主婦も、公務員も共通した制度に「一元化」するというコンセプトとして「所得比例年金」を掲げた民主党年金改革は「失敗」ではないかという思いがつのる。「所得」の概念を勤労者も自営業者も「共通」のものにしない限り、「所得比例年金」は成立しない。しかし、そこをなんとか「共通」化する方法があるらしい、と思わせる「所得」があるが、それは可能か?
それは、2月24日に掲載した本ブログの3案である。
3案>勤労者は給与所得控除後の所得、自営業者やフリーランサーは経費控除後の所得。

★ご本人は「民主党から直接コンタクトを受けたことは一切ありません」と言っているが、民主党年金改革の素案ではないかと言われているのは、一橋大教授の高山憲之氏著作の「信頼と安心の年金改革」(東洋経済新報社2004年発行)である。
その高山先生は、「仮に、所得の概念を揃えようとすると、必要経費控除後でやるしかない」と推論を述べていた(「年金実務」2010年1月4日号)。
これが、3案の勤労者は給与所得控除後の所得、自営業者やフリーランサーは経費控除後の所得に対して、保険料率を掛けるやり方である。

★参考までに、課税前に給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)から引かれる「給与所得控除額 」を示す。

・1,800,000円以下 →「給与所得控除額 」=収入金額×40%(650,000円に満たない場合には650,000円 )
・1,800,000円超~3,600,000円以下→「給与所得控除額 」= 収入金額×30% +  180,000円
・3,600,000円超~6,600,000円以下→「給与所得控除額 」= 収入金額×20% +  540,000円
・6,600,000円超~10,000,000円以下 →「給与所得控除額 」= 収入金額×10% + 1,200,000円
・10,000,000円超→「給与所得控除額 」=収入金額× 5% + 1,700,000円

★年収600万円の人の場合である。
現行の厚生年金保険料(最大固定化された18.3%のうち本人負担で試算)では、年間保険料54万9千円。
「所得比例年金」保険料15%では、「給与所得控除」後の「所得」426万円、年間保険料は31万9500円となり、負担は大幅減である。
半分を負担する企業側にとっても、極めて有効な「景気刺激策」でもある。

★年金額はどうなるか?現行厚生年金では、
「平均標準報酬額」(例510,000円)×支給率(0.5481%)×加入月数(例480月)=年金額(例1,341,749円→1,341,800円)

★「所得比例年金」で、40年間を同じ保険料、利子率1%として試算する。60歳時「みなし積立額」は1577万円。これを1.5%の年金換算率で20年保証終身年金の場合、年金年額は約91万円。

★「給与所得控除後」の所得方式の勤労者にとっては、総年収に近い「給与所得」に保険料が掛けられる現在より負担額は減るが、年金額計算の基礎になる保険料累計額も減る。納付保険料に1対1対応という触れ込みの「所得比例年金」、勤労者から「年金減額だ」と言われかねない。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://nenkin.co.jp/mymt/mt-tb.cgi/1520

About

2010年02月26日 06:05に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「自営業者「所得比例年金」、「給与所得」をどう補足するのか?」です。

次の投稿は「「リバースモゲージ」住宅担保型老後資金ローン」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

出版物

最新年金情報満載
「ねんきん特別便」対応。
「我が家の年金チェックシート」付。 厚生年金、国民年金、共済年金、企業年金、日本版401kまで。年金完全ガイド。
豊富なモデル例と図解で企業年金改革の基本が掴めます

RSS配信(RSSについて)