じっくり確認した23%、目をとおしただけ32%、中を見ていない4%
★各地、各企業で繰り広げられているライフプランセミナーでは、「ねんきん定期便」を持参して来る人が多くなってきた。
2009年4月から各人の誕生月に社会保険庁から郵送されてきている「ねんきん定期便」は、この1月生まれの全被保険者にはすでに手元にあるはずである。加入履歴、国民年金納付状況、厚生年金の報酬記録、年金見込額など、ニッポンの年金制度開闢以来の本邦初公開の年金個人情報の通知である。日本経済新聞社のインターネット調査「家計1000人アンケート」の回答、「内容をじっくり確認した」人が23%も上るのは、ライフプランセミナーの講師として接してきた「ねんきん定期便」への反応力としては、結構良い数値である。「じっくり確認した」後に何を理解したかは、このアンケートでは不明だが、「年金見込額」への何らかの思いだけは抱いたはずである。
★「ねんきん定期便」のメインは、年金見込額である。
50歳以上の人は各人の支給開始年齢からの「将来見込額」、50歳未満は「現在までの実績額」である。
全被保険者に配布された本邦初公開の「将来見込額」、「現在までの実績額」は人々にいかなる「年金像」をもたらしているか?
★日経インターネット調査「家計1000人アンケート」から探ってみよう。
★「将来の公的年金の受給額を把握しているのか?」との質問に対する反応である。
日経ネットPLUAの分析を引用。
「『知らない』という答えと、『正確に把握している』『おおよその額は知っている』という答えがほぼ半々」であった。
★「前回の調査では『知らない』が79%に達していたのに対し、『知っている』は21%にとどまっていた」といことだから、「ねんきん定期便」はひとまず「技あり」であったと評価できる。もっと早くやっていれば、これほどの年金不信が増大しないで済んだはずだ。
★公的年金の自分なりの「年金受給額」が把握できたところで、「老後に公的年金以外に必要だと思う資金は?」という問いが、同調査にある。
「わからない」と答えた人は25%。4人に1人が「不足するお金」の額把握までには進んでいない。
しかし、「1000万円~2000万円未満」「2000万円~3000万円未満」「3000万円~5000万円未満」がほぼ同数であった。
この「不足するお金」は、企業年金、退職金がある企業のサラリーマン&ウーマンにとっては確保するのに困難な数字ではない。
★日経ネットPLUAは「従来の『見えない不安』から、『具体的な不安』に変化しつつある」と結ぶ。
しかし、不安が具体化したということは、その問題解決に近付いたことを意味する。
ニッポンの老後、各人各様にその不安の克服、「具体的」になりつつあるのであると思いたい。その意味でも、「ねんきん定期便」は社会保険庁が最後に成し遂げた、誠に立派な仕事である。
年金お助けBOOK 2008-2009年版
適格年金のやめ方