★年金論議はこれからいよいよ佳境に入るであろう。その意味で週刊東洋経済10月30日号「年金激震」による「年金はこのままでいいのだ!」論はグッド・タイミングであった。民主党年金改革案がいまひとつ見えないなか、現行制度守旧派はなぜか、ご機嫌、かつ意気軒昂である。これはこれで、今後の制度論議を深めるには大変いいことだ。
★同誌が多くの紙面を割いた年金不信を助長したのはお前だ!と赤狩りまがい「罪人」告発の仕掛け人は、やはり慶応義塾大学・権丈善一先生なのであろう。
「どうしてそのような考えが間違えたのかを、この国ではじめて解説をしていまして、なかなかイイセン」「こうした良質の仕事をした「経済誌」は、この『週刊東洋経済』がはじめてでしょう」と絶賛、とういか自画自賛しているこの先生の講演録が、月刊「企業年金」(企業年金連合会発行の会報誌)12月号に掲載されていた。
この先生、何をそんなに嬉しいのか、「帰りがけに駅のキオスクでぜひともお求めください」と、多くは企業年金の担当者であろう聴衆にセールストークまでしていた。
★権丈先生の講演のタイトル「年金をとりまく過去、現在、未来」であった。
過去35年のニッポンの年金改革論議をつぶさにみてきた者として思うことは、制度改革の是非、いつも御用学者と大手新聞社の政策誘導か共産党や旧社会党の給付増額要求かの二者択一しかなかった。まともに、旧厚生省の年金政策を批判すれば年金局に呼ばれ、課長補佐あたりに恫喝されたものだ。
★年金の未来を各人各様にさまざまな手法で論陣を張り始めたのは、1990年前後からである。
高山憲之氏の著作、「公的年金の経済分析」(東洋経済新報社発行)、「年金改革の構想」(日本経済新聞社発行)や、西沢和彦氏の著作、「年金大改革」、近著の「年金制度は誰のものか」(日本経済社発行)は、現行の年金制度の構造的矛盾を明らかにした功績は大きい。
週刊東洋経済、権丈先生、細野先生ら守旧派の方々、藪から棒に「年金不安と不信」を助長した「間違った奴だ」などと、インテリヤクザのような因縁をつけるのは、いささか大人げない。
★権丈先生のように自論礼賛、他論罵倒しては、政策論議にはならない。
高山先生も西沢先生も多くの経済学者も、この国の年金制度をなんとか持続させなくてはならないという「想い」は同じなのだから、もっと、制度のあり方を深める議論をしてもらいたいものだ。
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適格年金のやめ方