★一見するならば切なくなるデータである。内閣府の「生活困難を抱える男女に関する検討会」という奇妙な集計データである。65歳~69歳の女性の貧困率19%。70~74歳になると26.6%に上昇する貧困率。「先進国中で最悪の水準」(日経新聞12月6日号)。
これまた奇妙な内閣府データ、「男女参画社会に関する世論調査」がある。「結婚してもしなくてもどちらでもいい」という20歳代が87.8%。「必ずしも子どもを持つ必要ない」は、20歳代で63%という。
★ほんとうに、老いてもますます貧しくなるニッポンなのか?
老後の貧困率の上昇は数値だけみれば深刻である。男性でも65歳~69歳で15.5%、70歳~74歳で17.3%。65歳以上の単身女性の貧困率52.3%、単身男性は38.3%。ここでいう貧困率(相対的貧困率)は年間所得が約124万円に満たない人の割合であるという。65歳以上の所得というと年金所得である。月額約10万円程度の年金老人が2割弱、単身女性は5割強である。
★先進国中、最低ということだが、アジアではピカイチの所得である。しかし、月額約10万円は高齢生活保護世帯とほぼ同等の所得である。
政府は、高齢者の生活実態をつかみ切れていないのではないかと思う。
本気になって老後の生活水準、老後のナショナルミニマムを設定するならば、「全高齢者の所得・資産のミーンズテスト」が必要である。
個人の金融資産は約1400兆円。そのうちの60%強は65歳以上高齢者が保有するといわれている。実際に、億ションに住んで月額10万円の年金でも毎月5万円の貯金をしている老人はいるのである。
★老後とは資産生活である。所得生活よりも資産の取り崩し生活である。富の偏在を把握しない限り、単純に「貧困率、先進国中、最低」とは言い切れない。
★老いてますます貧しくなるニッポンのイメージが先行すれば、若人は「結婚してどうなる」と思うのは当然である。さらに、各人、我が身を振り返っても「子ども=高コスト=ハイリスク・ノーリターン」の実際を知れば、「必ずしも子どもを持つ必要ない」となるのは理の当然である。
老後の富と所得の相関を把握できる実態を示さない限り、ニッポンはビンボー老人大国ということになる。
長妻厚労相、「全高齢者の所得・資産のミーンズテスト」を実施すべきである。
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