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出口なき経済不況、年金財政もさらに悪化にむかうか?(7)

★急激な円高にビビってしまった鳩山政権である。
12月1日、緊急経済対策として2次補正予算7兆円の積み増し、地方自治体財政支援、中小企業資金繰り支援、雇用・環境対策などで20兆円規模となった。日銀は金融機関への金融緩和を拡大、年0.1%の固定金利で期間3カ月、10兆円の追加を決定。同日、老舗百貨店三越、35歳以上の社員6700人の22%にあたる1500人の早期退職を公表。09年の国内新車販売台数は290万台(軽自動車除く)1971年以来38年ぶりの300万台割れとなった。
おきている現実はすべてが、ニッポンの構造縮小。社会の基盤、人口、生産、雇用、消費の縮小なのだ。年金制度は当然、これからボディーブローのようにこの縮小のダメージをうけてくる。すでに、年金支出は予測を超えて増大し、収入は運用収益の大幅なマイナスもあるが、保険料収入は淋しくなること必至である。

★「数理モデルとして先々の見通しをデータに基づき推計」してきた年金財政はバランスしているという、守旧派週刊東洋経済、細野先生たちのメッセージは悪い冗談か、意図したデマなのか?ここは、厚生年金財政の収支の現在と未来、厚労省大本営発表をみておく必要がある。

★2004年度の年金改正時点と2009年現在の実績推計との収支比較である。社会保険事業運営評議会(目白大学教授・宮武剛座長)の「平成20年度事業実績報告書」が公表資料である。

★「実績収入-2004年度予測収入(半角)=予測・実績のかい離」(単位:兆円)。
H16年度 34.9-27.3=7.6
H17年度 39.7-28.3=11.4
H18年度 33.8-29.8=4
H19年度 25.6-31.2=▲5.6
H20年度 22.6-33=▲10.4

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★厚生年金財政、H16年からH18年の3年間は資産運用収益好調、直近2年間はマイナス運用で収入の急減であるが、今後、保険料収入そのものの縮小がどの程度すすむかに注意が必要だ。

★「実績支出-2004年度予測支出(半角)=予測・実績のかい離」(単位:兆円)。
H16年度 32.6-31.1=1.5
H17年度 37.6-31.9=5.7
H18年度 34.4-32.9=1.5
H19年度 35.1-33.8=1.3
H20年度 36.1-34.9=1.2

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資料:09年「平成20年度事業実績報告書」より日本生活設計で作成

★将来予測、その収入はある変動ブレがあっても致し方ないが、にわかに年金受給者が増大したわけでもないのに、支出の予測値と実績との大きな見込み違いはどうしたのだろうか?1兆円規模で支出増というのはなかなか「了解」しましたというわけにはいかない。要するに、将来見通しが甘いのである。企業や個人は真似のできない甘さである。

★2004年度の年金改正でブチ上げた100年安心プラン、「保険料水準固定方式」の厚生年金、国民年金、その前提は賃金上昇率2.1%(09年には2.5%に修正)、物価上昇率1.0%、運用利回り3.2%(09年には4.1%に修正)、可処分所得上昇率2.1%(2017年までは1.9%)だった。

★この甘い経済前提あっての100年安心プランだ。
精緻な数理モデルというほどには精緻でもないのである。人はある種の願望によって未来を計量化したがる。

★経済成長と人口増あっての年金制度なら誰もが持続性を予測できる。我々は、どうやら経済縮小・人口減を前提にした年金制度は可能か?その答えを後代に残す必要があるところにきたのではないかと思いたい。

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2009年12月04日 07:20に投稿されたエントリーのページです。

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