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年金積立金、約39兆円が露と消えた?(6)

★34歳の君が65歳になる2040年、330兆円の年金積立金があるから大丈夫だ。保険料収入で全部賄えなくなっても、この年金積立金を取り崩すから安心だよ。現行制度守旧派の論拠の根底にあるのは、年金積立金願望である。
守旧派太刀持ち、予備校講師・細野真宏先生曰く、「保険料が足りないぶんは年金積立金を使って調整するから問題ないよ」(『「未納が増えると年金が破たんする」って誰が言った?』扶桑社新書・細野先生の著書P162)とノンキなことを言っている。

★2004年の年金改正時、厚労省年金局で受けた説明では、05年度の厚生年金積立金163.9(時価138.2)兆円、09年度は156兆円の予測であった。
あれから5年が経過して2009年度の厚生年金の積立時価は116.6兆円と推計発表されている。

★05年度実績163.9(時価138.2)兆円から簿価とのかい離は▲47兆円、実績時価との差額では▲21.6兆円が露と消えた。さらに、厚労省が見込んだ09年度156.4兆円からは、実績時価との差額▲39.8兆円がブレたことになる。このブレはマイナス25%であるから、株式運用の世界では、ほぼ2ブレ(2標準偏差)程度のブレだから「この程度は今や10年ごとに起こる当たり前の世界」と思えなくはないが、年金運用の世界では「相当に大きな」ブレだ。

★公的年金の積立金は、不足する保険料収入を調整する機能もあるが、それより大事なことは、年金給付ファンドであることである。年金の市場運用の損失の穴埋めファンドではない。あくまでも年金給付が滞ることなく実施されるための準備金である。それゆえに、公的年金の運用は、「大きなリスク」をとる「必然性」はない。長期国債並みの期待収益率とリスクが正しい運用姿勢なはずである。
なぜ、かくも巨額な損失が想定されるような「市場運用」が必要なのか?
現行制度守旧派はこの点については、ほとんどの守旧派の面々、口を拭っている。

★社会保険事業運営評議会(目白大学教授・宮武剛座長)が10月20日開かれ、「平成20年度事業実績報告書」が公表されている。平成16年度改正時の厚労省見通しと平成20年度の実績との比較が示されている。

★厚生年金の積立金予測と実績の比較
平成16年度財政再計算・予測積立金残高-実績積立金残高(時価)=予測・実績かい離(単位は兆円)
過去5年間の予測と実績とのかい離額はマイナス▲142兆円になっている。厚生年金保険料の年間平均22兆円の6.5年分、年金給付費(基礎年金拠出金含む)約35兆円の4年分が見込み違い?財政推計はバランスどころハチャメチャである。

H16年度 167.5-138.2=▲29.3
H17年度 163.9-140.3=▲23.6
H18年度 160.8-139.8=▲21
H19年度 158.3-130.1=▲28.2
H20年度 156.4-116.6=▲39.8

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★守旧派太刀持ち、予備校講師・細野真宏先生曰く「年金はもっと精緻な試算で考察できるもの」「数理モデルとして先々の見通しをデータに基づき推計することが可能」。細野先生のように年金の数理モデル、精緻な試算なのだと、それほど買い被ってはいけない。年金数理は、外れることがしばしばなのである。

「財政がバランスしている現行制度」などというのは、戦前の帝国陸海軍の大本営みたいに「我が帝国陸海軍は連戦連勝」、「実際の敗北」を「嘘」でごまかし続けたことと同じだ。推計通りにいかない、現実を直視しなくてはいけない。

★厚労省の井上年金保険課長「積立金残高が財政再計算上(H16)の見通しよりもさらに悪化している可能性」(10月20日)と、他人ごとのようなことを言っていた。「財政バランス」どころか、急速に財政悪化しているのだ。2004年(H16)改正のバラ色未来はもろくも崩れだしている。

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2009年12月03日 10:53に投稿されたエントリーのページです。

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