★週刊「東洋経済10月31日号」「特集・民主党政権でどう変わる?年金激震」をさらに続けよう。この雑誌の年金特集が大変ユニークかつ面白いのは、お前ら「間違った」!すべてにおいて正しいのはオイラだ、我田引水、一人悦にいっている点である。
★年金不信の蔓延の原因は、次の輩の「間違った批判」にあるという。
今日は、この雑誌が取り上げた「間違った批判」派を「騒乱」、いや総覧しておきたい。
★すべてにわたって「間違った」わけではないが、何らかの形で「間違った」輩と同誌から指弾された方々である。さて、週刊東洋経済がいうようにこの方々や団体が本当に間違ったかどうかは、今の段階では何ともジャッジしようがない。
しかし、年金制度を35年間、見てきた者からすると、年金不信の原因をつくってきたのは、ひとえに厚労省の狼少年的な年金改正にあるというのが筆者の史観である。
まずは、週刊東洋経済が挙げる現行年金制度の騒乱派、不信を助長させた「主な人」である。
★政党と団体
・民主党
・自民党上げ潮派(小泉純一郎前首相の構造改革論を引き継ぐ中川秀直さん?筆者注:「基礎年金の税方式を中川さんは唱えていない。派手にブチ上げたのは首相になる前の麻生さん」
・経団連
・日本労働組合総連合会
・各新聞社、マスコミ
★学校の先生と研究者
・高山憲之(一橋大学教授)
・鈴木亘(学習院大学教授)
・西沢和彦(日本総合研究所主任研究員)
・土井丈朗(慶応義塾大学教授)
・橘木俊詔(同志社大学教授)
・小塩隆士(一橋大学経済研究所教授)
★「その他多数」というのも笑ってしまうが、同紙が取り上げた「その他多数」とは、
「年金が消える」(榊原英資著)、「粉飾国家」(金子勝著)、「僕らの年金脱退宣言」(木村剛著)、「社会保障の学者ではなく、経済学者」(堀勝洋先生曰く)等などが「主な人」なのか?
★週刊東洋経済が「年金の天敵」として、どいつもこいつもと挙げ、場外乱闘の如くに斬って捨てるのは余程のことである。雑誌記者が追っ付け仕事で書ける内容ではない専門的な水準であるが、無記名原稿である。
ここには黒幕がいるはずである。こうしたシチュエーションを主導できる論客は、この日本では「公的年金の不信・不安・誤解の元凶を切る!」の著者・元厚生官僚の坪野剛司先生か、「年金の誤解」の著者・元厚生官僚の堀勝洋先生か、「年金改革と積極的社会保障政策」の著者・慶応大学商学部権丈善一教授先生しかいない。さもなければ、厚労省年金局数理課であろうか。もちろん、週刊東洋経済の年金特集「年金不信はなぜ広がった?」にはその名前はないので、あくまでも憶測である。しかし、そのことは余り重要ではない。
★結局、「年金の天敵」にしても、現行制度守旧派にしても、課題はひとつ。国民の幸福である。老後設計の問題で言えば、国民年金、基礎年金の基盤強化が最優先である。
★ここまで、あいつは間違った、こいつも間違ったなどと言わずに、「党派を問わず、これまでの立場を問わず、これからは積極的社会保障政策が、内需主導型の成長戦略として合理性を持つ」(権丈善一先生『週刊東洋経済08年12月1日号「介護・医療政策を問う」』)。権丈先生の仰る通り、ここは皆さん、叡智を集め、静かに、熱く、素早く、年金改革に進んでほしいものだ。
年金お助けBOOK 2008-2009年版
適格年金のやめ方