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若者たちの「年金不安」は「年金覚悟」に変わる

★この春に入社した20人ほどの20代から30代前半の若者たちに丸一日、ライフプランや年金を説明する機会をもった。中堅製造業での確定拠出年金(DC)継続教育を兼ねた、「新卒・中途採用者向けベネフィットセミナー」であった。ほとんどが、東大や京大や東北大などの理数系の院卒、ドクター卒、または大手電機メーカーなどからの転職組である。高度な計測機を製造する若きエンジニアたちだ。

★若者たちが、今からこの国の年金の未来はショボイ、と想定することは、「大変良いことだ」と思う。65歳までシッカリ勤めあげても、「足りない年金」である。今から「何をすべきか?」、自ら答えを模索しはじめている。30歳から30年かけて、2000万円から3000万円を確定拠出年金(DC)と個人の金融資産でどうつくっていくか、研修の密度はきわめて濃いものになっていく。

★彼らのオヤジの世代、団塊オヤジさんたちの多くは、その逆で、「国の年金、年300万円ぐらいは俺だって」と思って50代をすごしてきた。大手企業に勤める彼らの少し上の世代には、その程度の年金額の人が仰山いたのだ。お国の年金は俺達を見捨てるはずがないと思ってきた分、「俺だって300万円年金」と思わないのが不思議なのだ。ところが、年金請求して「裁定年金額」、あけてびっくり、「なぜだ!」と叫んで酒くらって大暴れした我友人もいたのだから、何をかいわんや、である。

★当節の若者の「年金関心度」は高い。すでに郵送されてきた「ねんきん定期便」をシッカリと持参し、どうしてここが「未納」になっているのか?「学生特別免除」期間の保険料、今追納してトクかソンか?
前の会社と現在の会社の間にできた「空白期間」どう埋めたらいいか?
質問は切実である。
また、今、万が一自分が死んだ場合の遺族年金は、と聞いてくるのだから、不安社会での「年金知識」への希求は現実的である。

★それにしても、20歳から大学の卒業までの「学生特別免除」制度はむごいものがある。その期間、国民年金「カラ期間」(資格期間だけ認知)として認められてきたが、基礎年金額に反映されない。

20歳から29歳まで学問に集中、就職して、60歳まで働いても、基礎年金額は今の価格でも満額約79万にならない。約61万円程度。老齢厚生年金も将来も平均的な給与であれば約100万円前後。今の価格で合計160万円。最優秀な大学で高度な学問を学び、研究し、製造業に就職すれども、「結構、厳しい年金ですね」となる。

★社会人になって、10年以内に追納すれば、9年分の「学生特別免除」期間を埋められるこの制度である。しかし、実際はほとんどの人は埋めようがない。年間保険料約17万円、9年分として153万円の保険料。

★聞けば、日本学生支援機構からの奨学金、数百万円強の返済が迫っているという。院卒、ドクター卒だから大学4年の学卒よりは多少給与水準は高いとはいえ、そんなに余裕ある給与ではないはず。「奨学金、数百万円をまず返しますよ」と健気に言うこの若者に、この「学生特別免除」期間を埋める手立てはないのかと痛切に思う。

「ともかく65歳、さらに働いて年金を増やす手立て」を提案する他術がない。若者たち、切ないほどの「年金覚悟」を決めた悲壮な顔をする。この国の全国民共通の基礎年金、空白だらけの人ばかりの現実をみるにつけ、「長く働く以外に手立てなし」、何とも年金無策である。

★国民年金は今の社会保険料方式では若者たちに「年金空白」と「年金不信」をばらまくだけだ。民主党長妻厚労相よ、4年先の国民年金税方式化の政策転換では遅いのである。今からすぐに親の所得制限付きでもいいから、学生、大学院、博士課程だけでも国民年金保険料全額、税金負担を認めてやったらどうか。朝からプール、昼からエアロ、夜は仲間と楽しい居酒屋通いの奥様、国民年金3号被保険者、保険料納付なくとも年金はバッチリ算入なのである。どこかおかしいよ、ニッポンの年金である。

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2009年10月29日 05:22に投稿されたエントリーのページです。

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