★ニッポン国には打出の小槌があるようだ。600兆円近い累積赤字国債。政治家も官僚もなぜにノホホンと赤字と借金を繰り返すのか?旧政権自民公明党の麻生政権は補正予算とあわせても120兆円の大盤振る舞い。政権交代、民主党政権は税収40兆円割込でも95兆円の大出血サービスを予定。赤字国債50兆円も発行する。庶民には計りかねる大赤字、大借金もカエルの顔になんとかでいられるのは、一般会計とは別の「闇財布」、「特別会計」があることによる。まかしておいてよ、あなたは知らない「ヘソクリ」があるのよ!とシッカリ女房殿が秘かにつくったような「特別会計」387兆円あるのである。しかし、これは本当にまかしていていいものなのか?
★新政権下で新設された行政刷新会議(議長・鳩山首相)は2010年度予算編成の基本方針を公表した。そのなかで、「特別会計も対象に事業の見直しや廃止を進める基準」(日経新聞10月22日号)と告げている。
★「特別会計」は本当に国家の「会計」なのか?各省が創意工夫して編み出した「ヘソクリ」なのか?一般的には、官僚による、官僚のために、官僚のヘソクリ、「闇財布」ともいわれている。
★例えば、「年金特別会計08年度」の歳入72兆円、支出70兆円、差額剰余は2兆円、積立金は▲688億円、翌年度繰り入れ1兆6910億円となっている。過去にさかのぼること数年ほど前まで、この特別会計から保養施設「グリーンピア×××」が政治家先生の故郷に作られ、または職員のマッサージ機まで購入、厚生官僚とその族議員のやりたい放題だったわけだ。
★一般会計という国家の税収でまかなう生活費口座は大赤字、大借金だが、このヘソクリ口座、特別口座は別会計で過去の旧政権自民党の金城湯地、利権分配の源泉であった。国会による審議審査があったとはいえ、仲間うちの美味しい「闇財布」だった。鳩山新政権は「聖域なく事業を見直し、根本から歳出の枠組みを刷新」という。頑張れ!といいたいところだが、ニッポン国のもうひとつの「闇財布」、特別会計は実に複雑怪奇である。
★「特別会計」は約12分野にわたって各省庁が「勝手に」管理している国家のお金である。財務相のホームページに「平成20年度特別会計決算概要」が公表されている。ご興味ある方を是非ご覧いただきたい。
★「特別会計」は約12分野の「歳入合計」は約387兆円、「支出総額」は約358兆円、その差額である剰余金は約28兆円となっている。この剰余金のうち各12分野別の「特別会計」に「積立資金」として留保した資金は約4兆円、翌年度10年度歳入に繰り入れされる資金は約21兆円、一般会計という生活費口座に振り込まれた資金は約2兆円である。
★「特別会計」のうち最大のものは、「国債整理基金」である。歳入195兆円、支出178兆円、翌年度繰り入れ16兆円。「国債整理基金」は、どうもニッポン国の赤字国債の大量発行がユルフンになる仕組みの根源のようだ。
★「国債整理基金」の歳入は、
1.たばこ税 2.一般会計から繰り入れ(前年度国債残高の1.6% 3.他の特別会計からの上納金 4.国債借換による収入金 4.国債整理基金の運用収益となっている。
このうち、歳入の半分近いのが「国債借換による収入金」である。収入金といえば聞こえはいいが、なんのことはない借金返済のための新たな借金である。
★「国債整理基金」の支出178兆円は、したがって、ほとんどが「債務償還費」「利子・割引料」となっている。
この「国債整理基金」は、本体の「一般会計」から切り離され、簿外で見え難いように処理される借金口座にための借金帳簿となっている。いわゆる、ひとつの「飛ばし」のテクニックである。しかも、ニッポン国の国債、償還期限60年ルールで返済計算している節がある。これでは、たくさん借りて長く返せば恐くない式の悪魔の手法である。
★ここまで書いて思い出したのは、稀代の詐欺師かギャンブラーか、はたまた天才的財政家か、ジョン・ローのやり口である。
1700年初頭に登場したフランス王政にとりいったイギリス人のジョン・ローは、王立銀行総裁、インド会社総裁、財務総督などの椅子を手にいれた。正貨をやめて王立銀行券を発行、国債はバンバン増発、植民地ミシシッピー開発をでっち上げその開発公社株を売り歩く。すべては、王様の贅沢三昧のためであったといわれている。
もちろん、こんな詐欺財政は破たんする。世界バブル経済の元祖、ジョン・ローばりの
稀代の国債バブル仕掛人が、旧大蔵省から現財務省に連綿と生き継いでいるとしか思えない。
★民主党政権、本気でこの「闇財布」、特別会計を聖域なき改革するならば、まず、一般会計と特別会計の枠をなくしオンバランス化しなくてはならない。連結会計にして、この国の真の財政を国民に情報開示が必要。
★行政刷新会議(議長・鳩山首相)や国家戦略室を設立したことはヤル気を感じるが、本気でやれば、銀行に庶民の借金のモラトリアム(支払猶予)をうながす前に、国家そのものが「モラトリアム宣言」という苦難を準備しなくてはならないであろう。さて、そこまで「本気」か民主党?しかし、いずれは誰かがやらなくてはならない羽目になるほど、この国はハチャメチャ財政だとあらためて認識した次第である。
★談論余話。その昔、数人の自民党の先生に「特別会計」の不思議を尋ねたことがある。一人は「昔からそうなのだ」と意に介した風はなし。もう一人は「財政は大風呂敷、ドーンとやって経済成長、成長なくして国家なし」とわけのわからないことを言っていた。最後の一人は、国家の財政をよく勉強していた。「特別会計は伏魔殿、誰も手をつけられない。やるなら命と引き換え」と言っていた。この先生が一番正直で高倉健ような先生だったが、この度の選挙で落選してしまった。民主党には、是非、この先生をリクルートしていただきたい。伏魔殿国家の大掃除には、松居さんや幸さんよりは役に立ちそうである。
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