★かねてより日本の「貧困率」を政府は公表すべしという意見が強くあった。路上生活者を救済する運動を展開しているNPO法人「もやい」の事務局長の湯浅誠氏は、その著書『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書)で「日本では、収入がいくら以下の水準だと貧困とみなすというような貧困指標(貧困ライン)が存在しない」と政府ー厚労省を批判していた。
★07年2月当時の安倍晋三首相「絶対的貧困率は先進国の中で最も低い水準」(同著より)と認識していたというわけだから、旧政権に「貧困対策」を求めても、「定額給付金」の一発バラマキでお茶を濁す他に術がなかったようだ。
★政権交代、長妻昭厚生労働相は10月20日、2007年度のニッポンの「貧困率」は15.7%であると公表した。ようやくにして、政府見解として「貧困」が政策課題になったともいえよう。
★この際、我々も「貧困率」、ニッポンの貧困の現在、さらに未来の貧困を考えていきたい。あなたでなくとも、あなたの子供であったり、孫であったり、近親者の誰かが「貧困」という「状態」に立ち入ることがフツーにある時代なのだ。
★「貧困率」とは、2007年度の国民生活基礎調査をもとに、経済協力開発機構(OECD)基準である「等価可処分所得の中央値の半分の金額未満の所得しかない人口が全人口に占める比率」である「相対的貧困率」のことであるという。
★「等価可処分所得」とは、収入から社会保険料や税金を引いた「手取り」を世帯単位で集計し、世帯全体の可処分所得を世帯の人数の平方根で割って算出という統計手法では結構ややこしいもののようだ。
★その等価可処分所得を世帯人数にふり分けて高い順に並べたときの中央値が、2007年度は228万円、その半分114万円に満たない人の割合が、全人口の15.7%というのが日本の貧困の現在であるという。
★現在の人口1億2,700万人として、1,994万人、約2,000万人が「貧困」の状態にある?ということになる。
★ahahi.com10月20日版によると
「経済協力開発機構(OECD)の08年報告書では、04年の日本の貧困率は14.9%で、加盟30カ国のうちメキシコ、トルコ、米国に次いで4番目に高かった。30カ国の平均値は10.6%。日本は働いている1人親家庭の子ども(18歳未満)が58%と、圧倒的に高かった」と報じている。
★長妻昭厚生労働相は、「今後、子ども手当など、数値を改善する政策を打ち出していきたい」という。「貧困率」は政府の社会保障、税制など諸策評価のひとつの基準値でもある。
★日本版ベーシック・インカムのさきがけか?とも呼ばれる「子ども手当て」「高校授業料無償化」は、赤字国債増発、政府の財政危機深まるなかでどのように起動されるのか?新たな財源をどこに求めていくのか?注目していきたい。
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