★夫婦参加のライフプラン研修で遭遇した妻たち、その宙に浮いた年金問題を続ける。
旧姓時代の年金記録を一本化していないケースである。
50代前半の女性の場合である。結婚前の20代前半、私立学校の教員をやっていた。私学共済の被保険者証を持参。「どうしたらいいでしょうか」との質問。旧姓での年金記録のままで、現在の国民年金はその期間分が抜け落ちている。ただちに、私学共済に電話をして氏名変更、新住所を届ける必要がある。
★昭和50年代の若いころ大手電機メーカーに数年の勤務経験ある女性の場合である。その企業には厚生年金基金があった。厚生年金基金加入分の加算年金か、代行年金は企業年金連合会(旧厚生年金基金連合会)に資産移換されているわけだ。
「年金引き継ぎのお知らせのハガキはありますか?」
「・・・・」
「会社から退職時に加入員証をもらっていませんか?」
「・・・・」
「退職時に会社から一時金をもらっていませんか?」
「・・・・」
★無理もない。昔勤めていた会社に「厚生年金基金」という企業年金があったことも、そもそも「厚生年金基金」という制度、「今日はじめて聞きました」なのである。
ニッポンの「厚生年金基金」は加入者には迷惑かつ理解不可能な制度なのである。「厚生年金基金」加入者であった人の「現実」は、一般的には次のような状態にある。
(1)本人は厚生年金に加入していると思っている。
(2)10年未満で退職すると、会社から「一時金か年金かの選択届」を提示され、わけがわからないうちに一時金を選択して選択届を提出。
(3)ご本人は加算年金を一時金で選択、すべては精算したと思いこんでいる場合が多い。厚生年金の報酬比例部分である代行年金がよもや国ではなく厚生年金連合会に移喚されていたことなど誰もが理解していない。
(4)退職後、しばらくして厚生年金基金連合会から「ハガキ」が来るが、この「ハガキ」、なんのことかわからないままにどこかに消えてしまっている。
★結婚前の旧姓での年金記録、届け出住所も昔のままという妻たち、女性たち、ライフプラン研修で必ず何人かいる。未だそのままで「宙に浮いている」状態にある妻たち、女性たち、かなりの数で存在しているはずである。
★国の社会保険庁、その末端の社会保険事務所はどんな対応をしているのであろうか?
★一度相談に行ったが、「なにもいわれなかった」という方がほとんどである。
社会保険事務所の相談員は、「結婚前の期間」をなぜ記録確認しなかったのか不思議な対応である。社会保険事務所の年金相談担当者、共済年金の加入期間、厚生年金基金の加入期間、我々の管轄に非ずという人、未だ結構多いようだ。
ただちに、私学共済や厚生年金基金連合会(現・企業年金連合会)に旧姓を現称に変更、現住所を届けなくてはならないわけだが、このことも多くの妻たち、女性たちには伝えられていない。旧姓時代の年金記録、氏名変更、住所変更する大切さ、意外に知らない人、結構多いのである。
★旧姓時代の記録確認を徹底するだけで、宙に浮いた年金記録の惨事はかなり防げる。さらには、厚生年金基金や共済組合の短期の加入期間、請求漏れ、支給漏れは大きく減少するはずである。
しかし、多くの妻たち、女性たちにとって、旧姓時代の宙に浮いた年金、わずかな金額な場合が多い。国の社会保険事務所に行き、さらに共済年金に連絡する、企業年金連合会に連絡する。この作業は支給される年金額の割には、手間暇がかかりすぎるのである。
年金お助けBOOK 2008-2009年版
適格年金のやめ方