★09年10月から企業年金でも国の基礎年金番号管理に一元化できるようになるようだ。日経新聞8月18日号によると、「厚生労働省は社会保険庁が持つ公的年金の加入者の住所情報を、確定拠出年金や確定給付企業年金にも提供する方針を固めた」と報じている。うなぎのぼりに増大する企業年金の請求漏れ、確定拠出年金(DC)の資産放棄。基礎年金番号に一元管理することで、こうした事態はどの程度、防止できるのか?
★人々が自らの年金資産に無関心になる要因は制度の手続きの煩雑さ、窓口が複数に及ぶことにある。2007年に発覚した企業年金連合会の約120万件にわたる請求漏れ騒動の際、本誌ブログは、請求窓口を社会保険事務所に一元化することでほとんどは解決すると提案してきた。
その後、社会保険庁の加入者データは企業年金連合会、厚生年金基金には情報疎通がなされるようになった。今回は、こうした情報提供は個々の企業年金や確定拠出年金(DC)の記録管理機関にまで拡大することになるようだ。
★しかし、年金加入者にしてみれば、請求窓口が複数ある煩雑さは変わらない。たとえ、幾つかの企業年金、厚生年金基金、確定拠出年金(DC)から「請求をして下さい」とお知らせをもらっても、住民票や印鑑証明(確定拠出年金の場合)を請求先ごとに準備することすら、なぜか人々に迷路にさまよう感じにさせる。そして、請求放棄、資産遺棄となる。
★厚生年金基金を廃止、代行返上した確定給付企業年金基金では、未だ、上乗せ部分の超少額年金の支給を対象加入者がこの世からすべて消えるまで続けていく苦役にある。恐らく、この「薄皮年金」の未請求者はかなりの数になるのではないかと推定される。企業にとっては多くのコスト負担となっているわけだが、これこそ加入者にとってもまったく面倒な年金である。企業には国に経費を払ってでも、国に支払委託、社会保険事務所に窓口一元化してもらいたいものだというのが本音だ。
★さらにまた、中小企業退職金共済である。未だ多くの請求放棄、退職金放棄者は後を絶たないはずである。これこそ、国営退職金制度なのである。社会保険事務所に窓口一元化することで、無駄な外郭団体も合理化できる効用もある。
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