★終身労働は人によっては辛い人生設計である。先週の土曜日は3人の高齢者に自民党マニフェスト「70歳はつらつ現役プラン」を聞いてみた。
(1)60歳の現役開業医のAさん、「もうくたびれたよ。後釜が早く育てば良いが・・。できたら引退してのんびりしたいよ」。定年のない職業である開業医だが、「朝7時から夕方6時までの診療。夜8時、9時までの往診。日曜日も往診。過酷だよ」とのことである。生涯現役は医師としての使命だそうだ。医師とか弁護士とか会計士、はたまた政治家など個人事業主はもともと生涯現役職業。雇われ人であるサラリーマン&ウーマンとは出発点が違うようだ。
「今は開業医、お金を考えたら決して良い職業ではない。借金の返済のためにやめられないという先生も多いよ」とのことである。
(2)58歳のサラリーマンのBさん、「70歳、冗談じゃないよ。年金支給開始を70歳にする気じゃないの」。「42年の会社勤め、20年の余生ぐらい好きにさせてよ」「それよりも、年金減額してもらってもいいから55歳ぐらいから出るようにしてほしい」
(3)70歳の元自動車エンジニアで今は「現役」テニスプレイヤーのCさん、「この年で働くというのは大変だよ。なんたって、技術は日々新しくなっていくから、追いつけない。お手伝いならともかく、年寄りが現役でいると若い者は育たない」
人生の終末、どうおくるかぐらい国にあれこれ言って欲しくない。年金をきっちり出せばよろしい。70歳はつらつ、大きなお世話といったところが全体の感情である。
★麻生首相、「高齢者は働くしか才能がない」の失言の背景に、自民党の「70歳はつらつ現役プラン」があったわけだ。
「50歳から定年後の教育訓練、就労希望の高齢者の知識、技能を登録するシニア・エキスパート・データベースを構築」するそうだ。
この程度の「シニア・エキスパート・データベース」の構築などは、高齢者雇用を必要とする個々の企業がやり、それをネットで横断的に結べば十分な話である。恐らくは、高齢者を採用した企業に助成金でもバラまくのであろう。
★現在でも多くの高齢者は、自主的に小学校児童の登校下校時のスクールガイドのボランティア、ゴミ収集場の掃除ボランティアなどに精をだしている姿をみかける。こうした、高齢者の善意、社会参加への希求が社会のすき間を埋める手助けになっている。都市社会に芽生えだした無償の公共意識が大切である。国家が高齢者雇用に口と金を出すと、必ず、こうした社会の互助の精神は廃れる。
★60歳前後の身体状況、技能、気力の差異は個人ごとで際立ってくる。30歳代にも負けない体力、技能、気力、そして豊富な経験をもつ70歳代、80歳代もいるが、60歳で精根尽きたといったという方もいる。しかし、70歳、未だ現役なりといった高齢者が増大すればするほど、20歳代、30歳代の出る幕はなくなる。ニッポン自民党がその縮図ではないだろうか。
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