65歳以上の8割が元気?介護保険2008年度
★「いわゆる65歳以上の人たちが元気」で8割の高齢者は「働くことしか才能がない」と言ってしまった麻生太郎首相であった。この8割の元気な高齢者の根拠はなんなのであろうか?ひとつの手掛かりは、介護保険の現況である。厚労省は7月30日に「平成19年度 介護保険事業状況報告(年報)」を公表している。新聞などでも報じられているが、ニッポンの老人介護の現実を知る2008年度(H19)末のデータをトレースしておこう。
« 2009年07月 | メイン | 2012年02月 »
★「いわゆる65歳以上の人たちが元気」で8割の高齢者は「働くことしか才能がない」と言ってしまった麻生太郎首相であった。この8割の元気な高齢者の根拠はなんなのであろうか?ひとつの手掛かりは、介護保険の現況である。厚労省は7月30日に「平成19年度 介護保険事業状況報告(年報)」を公表している。新聞などでも報じられているが、ニッポンの老人介護の現実を知る2008年度(H19)末のデータをトレースしておこう。
★年金制度をどうするのか?7月31日、麻生首相は衆院選マニフェストとしての自民党年金政策を提示した。長期政権を維持してきた「責任力」をアピールしたわりには、残念ながら旧来の「案」なり「既定方針」を踏襲しただけに終わっている。
(1)年金記録問題は2010年3月末に目途をつける。→既に総務省に設置された「年金業務・社会保険庁監視委員会」(葛西敬之委員長)で表明されたものではないか?
(2)厚生年金と公務員共済年金の一元化。→すでに厚生年金と共済年金一元化の前提として、2010年には共済年金の上乗せ部分の廃止も既定方針になっていたはずだが・・・。
(3)少額年金者の救済策→恐らく「最低保障額」の導入ということになるわけだから、なし崩しの基礎年金の税方式化になるのであろう。
(4)年金制度は超党派協議機関の設置→超党派で協議して現在の年金をどうしようとするかを明示するのがマニフェストなのだが・・・
★自民党の先生方、個々に話を聞くと、現在の基礎年金の税方式化しかないといったことを云う方は結構多い。麻生首相自身、首相になる前には国民年金は税金でやるしかないともで明言していた。なぜか、皆さん首相や大臣になるとコロッと年金守旧派になってしまう。
★終身労働は人によっては辛い人生設計である。先週の土曜日は3人の高齢者に自民党マニフェスト「70歳はつらつ現役プラン」を聞いてみた。
★日米欧で失業者が3300万人を超えたという。日経新聞8月3日号によると、2009年6月末現在、日本が350万人で失業率5.4%、米国が1470万人で失業率9.5%、ユーロ―圏が1490万人で失業率9.4%。この失業者増は、「昨年3月からの1年3カ月で1200万人増えた」
景気底打ち、東証1部上場企業4~6月期の純損益合計が黒字転換、経済回復の明るい兆しが聞こえてくるが、雇用情勢はいまだ大恐慌、大不況である。
★2008年度の厚生年金の赤字10兆1795億円、国民年金の赤字1兆1216億円と公表されている。
前年の2007年度は、厚生年金の赤字5兆5909億円、国民年金が赤字7779億円だったことから、2年連続の赤字決算ということなる。
★厚労省の談話は、「昨年末までの株価の状況などを織り込んで長期的な年金財政の見通しを作成しており、将来的にも負担と給付のバランスは保たれる」(朝日新聞8月4日号)
★この談話の意味するところはスゴイ!厚労省作成の100年年金財政見通し(2004年の年金改正時)には、08年度の株価暴落も織り込み済みで作成してあったともうけとれるからスゴイ!のである。
09年9月のリーマンショック後の株価暴落、運用損失も織り込んで、なおかつ04年にかかげた期待収益率3.2%から4.1%に上方修正した09年の強気な運用根性はスゴイ!のである。国民のリスク負担もおかまいなく、期待収益率操作で制度運営を計るこの年金操作法はスゴイ!のである。
本当にこの通りの談話であるなら、厚労省年金官僚は、アダムス先生の名言、「見えざる神の手」の「神」に限りなく近い人達なのだろう。
★自民党と公明党が少額年金対策として基礎年金の最低受給資格10年、月額2万5千円から3万円とする選挙公約を決めた。
その財源は1兆円から1兆8000億円で2011年度からの消費税の増税で賄うこととしたようだ。基礎年金の最低保障額を決めたわけだ。
★病気入院となるとまず高額医療費が心配になる。
しかし、ニッポンの医療制度は高額療養費制度がある。この制度を利用するには、70歳未満の健康保険被保険者が入院するときに忘れてはいけないことがある。
入院前に「限度額適用認定書」を協会けんぽ、または加入している健康保険組合に申請、その「認定書」を病院の窓口に提出すると、自己負担額が一定の限度額を超えると、その「自己負担限度額」だけを支払えば済むようなシステムになっている。これを知らないで入院すると、毎月、結構な自己負担額が請求、預貯金引き出し、それでも足りないと消費者金融から借金という思わぬ出費に悩むことになる。後日、高額療養費の請求をして自己負担金の還付で一息つけても、消費者金融の高金利はまけてはくれない。
★中小企業が主に加入する「協会けんぽ」の08年度の保険料収入が1,051億円の減収。大企業や業界団体で組織する健康保険組合は09年度の保険料収入は0.72%減収。日経新聞8月9日号は、景気後退による従業員の賃金減少が社会保険財政にもたらす不吉な悪化予測を掲載している。
★最大の悪化要因は、この間のボーナスの減少による。「協会けんぽ」は「前年度に月給の1.57カ月あったボーナスが1.51カ月分に減少」した。09年の夏のボーナスは厚労省の調査では前年比14.5%減少。
★厚生年金財政も「賃金が伸びなければ31~50年度に年金積立金が底をつく」と同紙は報じている。なお、このまま現役労働者の賃金が伸びず、物価もデフレ傾向が続くと、現在の年金受給者の年金額も据置から引き下げに転じる可能性もある。
★鈴木恒夫さん、68歳、自民党衆議院議員であった。神奈川7区、横浜市港北区・都筑区・緑区を地盤に6期18年、新自由クラブ、自民党ですごし、最後は文部科学相をちょっとだけ就任。すでに2年前から次期衆院選は出馬せず、引退を表明していた。
★ニッポンの年金の現状はどうなっているの?ニッポンの年金のどこが問題なのか?先週も50歳代の叔父さんから30歳台のお兄さんお姉さん達に尋ねられた。
まず、ニッポンの公的年金といわれる厚生年金、国民年金、国と地方の公務員共済年金、私学共済年金の全体の収支がどうなっているか、知っていますかと聞いたところ、ほとんどの方が知らない。知らないのが当然である。社会保険庁から決算報告書が送られてくるわけでもないし、新聞でも余り報道されない。
厚労省のホームページに平成19年度(2007年)厚生年金・国民年金の財政状況が公表されているので、これをもとにニッポンの年金、そのお金の収支をみてみたい。
★全国民共通の基礎年金は、制度独自の財源をもっていない。07年度で総額18兆1518億円の給付費は、厚生年金、国民年金、国と地方の公務員共済年金、私学共済年金、各制度からの「上納金」としての「基礎年金拠出金」によってまかなわれている。公的年金の研究者、「年金制度は誰のものか」の著者・西沢和彦氏は「奉加帳方式」と呼んでいる。
制度ごとに、あなたのところは今年は幾ら寄進してくださいというお寺やお宮の集金方法と同じだというのである。ただ、今年は物入りが多いのでご勘弁をと言い訳して寄進や寄付は断れる。
しかし、基礎年金拠出金は断れない。各制度とも公的年金制度であるから強制上納金というよりも法令によって決められた収納システムとしての上納金である。
★経営再建中の大手旅行会社、近畿日本ツーリストは確定給付企業年金のリストラを表明した。日経新聞8月12日号が報じるところでは、「年金減額は現役社員(約2300人)とOB(約1300人)の双方が対象」。2010年の夏を目途に、年金の給付利率を現行の2.6%から約1%に引き下げ、現役社員は20%減額、OBは10%減額に持っていく計画。これによって、「2010年12月期に10億円、11年12月期以降は年20億円の費用削減効果」を予定している。
★基礎年金の財源は加入者が払っている保険料ではない。財源は、各制度に注入された税金、運用収入、それが足りなければ資産を取り崩しても用立てる。基礎年金拠出金という財政調整金、制度上納金の実際である。
皆さんの毎月の保険料は、厚生年金ならば現在の厚生年金受給者の老齢・障害・遺族年金をまかなうのに手いっぱいであることを2回にわけて説明してきた。
ならば、各制度の基礎年金上納金はどうやって決めるのか?ある種の人頭税、頭割、割り勘であるが、これがまったく、謎だらけなのである。
★自民・公明党の現行制度維持、民主党の最低保障年金改革、どちらに「未来」があるかどうかを占う前に、基礎年金の財源調達の今のやり方を理解しておきたい。
★「たりないお金」(ダイヤモンド社発行)は、20代、30代のための人生設計入門というサブタイトルがついている。

「投資信託にだまされるな!」(07年)、「しくみマネー術」(08年)、「たりないお金」(09年)と竹川マネー本音本、三部作目となる。著者、竹川さん、今の若い人たちの人生設計、これで良いのだろうか、と日頃から思っていたことを集大成。カバー帯のコピー、「いまの若者は普通にすごすだけでお金がたりなくなってしまいます」「年金崩壊時代を生き抜くためのお金と生活のサバイバル入門!」とある。団塊世代の親は、最後の逃げ切り世代。この「親世代と同じことをしていたら破綻する可能性が高い」と警告。しかし「我慢ばかりの人生」もつまらない、ちょっとした工夫と知恵があれば「安心できる将来」は必ずつくれると指南。
★この7月から社会保険庁のホームページに開設された「私の履歴整理表」は大変便利である。
年金記録に「もれ」や「空白」がありそうなのだが、いつなのか、学生時代なのか、どこの会社の期間なのか、はっきりと思い出せない人には、年金加入の手がかりをみつけることができそうである。
★「私の履歴整理表」ホームページには、『「私の履歴整理表」は、社会保険事務所等に備え付けておりますが、ご家庭等でもご記入いただけるよう、エクセルファイルをご用意いたしましたので、下記ボタンをクリックし、ダウンロードのうえご活用ください』とある。
http://www.sia.go.jp/topics/2009/n0722.html
★8月30日投票の第45回総選挙は18日に公示された。今回の総選挙の最大の争点は年金、そのなかでも基礎年金の立て直しである。現政権与党の自民・公明党の現行制度の維持、野党の民主党の税方式への移行、最低保障年金への転換である。ところが、残念ながら与野党入り乱れてのバラマキ政策のオンパレードとなった。しかし、国民世論の反応は、与野党バラマキ公約、朝日新聞世論調査(8月18日号)をみるかぎり、きわめて評判悪い。
★麻生自民党公約「10年で家庭の所得100万円増」は「評価する」21%、「評価しない」66%。「消費税引き上げ」は「評価する」39%、「評価しない」52%。
★鳩山民主党公約「月2万6千円の子供手当」は「評価する」33%、「評価しない」55%。「高速道路段階的無料化」は「評価する」23%、「評価しない」67%。
★総選挙の結果がどちらに転がったとしても、バラマキ政策のツケは国民が負担する。国民は政治家がおもうほどバカではない。「公約実現のための財源」に「不安を感じる」は「両党とも83%」というから、国民の現実認識の方が政治家よりはるかに感度が高い。
★企業年金減額案の反対が8月18日現在で年金受給者の3390名を突破。すでに全年金受給権者9000名の3分の1以上の反対が確実になったわけだから、減額ルールの3分の2以上の賛成署名押印の集約は絶望的ともおもえる。
★年金減額を条件に公的資金融資を引き出そうという西松社長の経営再建案が潰えつつある日本航空JAL。国土交通省の肝いりで、経営再建に有識者懇談会を設置することになった。一橋大学長・杉山武彦氏を座長に、整理回収機構元社長の奥野善彦氏、弁護士の前田博氏らがメンバーの有識者懇談会は、日航の経営改善計画の助言などを行う。「同計画の内容次第で日航に追加融資を行う金融機関の幹部や、日航首脳も同席」(朝日新聞8月18日号)とのことであるから、日航JALの経営は実質的に政府と銀行の管理下に入ったわけだ。
国土交通省、有識者懇談会、金融機関、日航JAL経営陣、日航JALの企業年金の給付減額、今後、いかなる判断を示すのか、注目していきたい。
★09年10月から企業年金でも国の基礎年金番号管理に一元化できるようになるようだ。日経新聞8月18日号によると、「厚生労働省は社会保険庁が持つ公的年金の加入者の住所情報を、確定拠出年金や確定給付企業年金にも提供する方針を固めた」と報じている。うなぎのぼりに増大する企業年金の請求漏れ、確定拠出年金(DC)の資産放棄。基礎年金番号に一元管理することで、こうした事態はどの程度、防止できるのか?
★年金過払いが発見、国からその返還請求をされた人は注意が必要。
厚労省から発令された関係通知(8月7日)、「裁定後に第2号被保険者期間が判明し、当該期間後の第3者期間に係る年金がもとめられている事例について(制度運用上の取扱いの明確化)」となっている。なんのことなのかよくわからない日本語なので解説しておきたい。
★日米欧州市場の縮小、08年9月リーマンショック後の日本企業の決定的な変容である。日経新聞8月23日号は、「自動車、電機、精密、機械の4業種について、主要30社の4~6月期決算から地域別損益を集計」。同紙によると、「欧州や日本では赤字が続き、北米でも利益水準は低い」。同紙「きょうのことば」欄に富士フィルムの地域別営業損益(09年4~6月期)が掲載されている。
★社会保険庁は国民年金保険料の実質納付率を公表。08年度は45.6%、3年連続で50%割れである。日経新聞8月24日号によると、「社会保険庁は通常、所得が低くて保険料納付の支払いが免除・猶予になっている人を未納者と分け、計算式から除いて納付率を算出している」。保険料の免除申請者などを含めて保険料納付率をはじくいたものを「実質納付率」となる。年齢別の2008年度の実質納付率は以下のとおりである。
★日経平均株価は先週末比で342円高の10,581円をつけた8月24日であった。14日ぶりに1万500円台となる。麻生太郎首相は、総選挙の街頭演説で「4度にわたる的確な緊急経済対策」と自画自賛していた。しかし、日本の製造業の業績回復は中国、インドネシア、タイ、インドなどアジア地域国家の内需回復策にある。
★日経新聞8月24日号によると、タイの上場企業は09年1月~6月は純利益マイナス32%減であったが、「4~6月の純利益は前期(1~3月期)に比べ52%増加」「インドネシアの国内総生産(GDP)は4~6月に前年同期比4%伸び」「GDPの6割を占める個人消費が4.8%増加」と報じている。
★問題は中国である。8月25日NIKKEI NETによると、『温首相は中国景気の現状について「国内外の経済は良い方向に向かっているが、不安定で不確定な要因が多く、情勢は依然として複雑で厳しい」と指摘した。中国経済が自律的な回復に向けた「重要な時期にある」としたうえで、「積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を継続すると言明した』。きわめて、慎重な舵取りをはかる中国政府である。中国バブル経済は沸騰点をむかえつつ、どこかで熱冷ましの機会をうかがいだした。
★国民年金1号被保険者の実質納付率46.2%である。しかし、これだけで公的年金の実質納付率をはかるとニッポンの年金の現実を見誤る。
★やはりヘッジファンドであった。リーマンショック後は鳴りを潜めていた人食いザメ、投機シャークが帰ってきた。
東京証券市場の8月24日、日経平均株価は前週末比342円85銭高、1万0581円05銭。大幅反騰の主は「クレディ・スイス証券とニューエッジ・ジャパン証券の欧州系2社の先物取引」と報じたのは日経新聞8月25日号であった。久しぶりにシャープな調査記事だ。
★過日、ライフプラン研修でこんな質問があった。「まず、保険料の免除申請、それでも足りない老後のお金、最後は生活保護があるからいいではないか?」。普通の勤労者にまで蔓延している「モラルハザード」である。人生最後のライフプランが、「生活保護があるじゃないか」で本当にいいのか、冗談としても、切ない話である。
国民年金の実質納付率45.6%の背景にこうした「気分」があるとすると、この国の未来は本当に「ヤバイ」。
★残暑厳しい8月、最後の週は暗い晩夏となりつつある。
トヨタ自動車の製造ラインの縮小、三越の正社員1000人の削減、三洋電機の希望退職募集と、日本企業は本腰を入れて、正社員の大規模な人員削減にのりだしつつある。
米国本土では07年秋、サブプライムローン破たん、金融危機の顕在化以降、即断即決の人員削減で、雇用者数は19カ月連続で減少。この間、雇用者数は約670万人(米労働省統計累積)が企業から去ったことになる。対する日本の大手企業の多くは、08年12月の派遣、契約社員の雇用打ち切りでなんとかしのぎ、正社員はワークシェア、ノー残業、ノーワークノーペイ日の導入などでなんとか雇用維持をはかってきた。09年8月から10年3月末にむけて、人員削減、リストラはどこまで波及するのか。
★308議席、8月30日衆院選は野党・民主党の圧勝で終わった。民主・社民・国民の連立、鳩山由紀夫政権の誕生となる。
新政権が最初にぶちあたる大きな壁は悪化の一途をたどる雇用喪失対策である。
★失業率5.7%、有効求人倍率0.42、失業者数359万人。「雇用調整助成金」という政府の企業支援で雇用継続中が243万人。潜在的失業者数は600万人強ともいわれている。この晩夏から秋にむけて各社のリストラが加速するなか、失業者の増大、どこまで進むのか。新政権の雇用喪失対策、注視していきたい。