★原則300人未満の企業で導入できる中小企業退職金共済制度(通称「中退共」、以下略)がある。2012年3月末に廃止が決まった企業年金、適格退職年金からこの「中退共」に資産移管ができる。この中小企業向けの政府管掌退職金制度でもある中小企業退職金共済制度(通称「中退共」以下略)の元締めは勤労者退職金共済機構である。適格年金の廃止、「中退共」への移行状況が公表されている。
★02年4月から09年3月までに適格年金から「中退共」への移行企業数は、1万6549社、従業員数47万3164人となったとのことである。
★適格年金は、01年3月末に約7万8千社・964万人であった。この年に確定拠出年金制度が導入されたこともあり、適格年金は急減してきた。
06年3月末で約4万5千社は、09年3月末に約2万5441社・349万人となっている。この3年間に適格年金企業が約2万社で制度廃止されたことになる。
このうち確定給付企業年金、確定拠出年金に移行した企業もあるわけだが、「中退共」に移行した企業が約30%強といわれている。
しかし、適格年金から「中退共」への移行、必ずしも、ハッピーとは限らない。
★2001年あたりから適格年金制度の多くは、積立不足、過去勤務債務が増大し、責任準備金の半分ないし半分以下の年金資産しかもたない状況に晒されてきたと推定できる。確定給付企業年金や確定拠出年金に移行できる企業は、まだ幸せな「制度変更」。
★問題は、廃止後は退職金制度にもどり減額されたケースがある。同じように「中退共」への移行の場合も減額の憂き目にあったケースが結構あるはずである。適格年金から中退共への移行で問題となるのは、「適格年金」積立不足の償却方法が断たれることにある。会社からすれば、「制度」の損切りができる。社員からすれば、本来の退職金の減額となるわけだ。
★JAL日本航空の年金受給者の年金減額問題が大騒ぎになったのは先週であった。大企業の年金減額は大問題となる。残念ながら、中小零細企業で働く人の退職金、企業年金の減額は、マスコミ稼業の諸兄は余り興味も関心もないようなのか、新聞テレビにのることはめったにない。
★「適格年金」廃止から制度の再構築の手法については、下記の本をお勧めします。
年金お助けBOOK 2008-2009年版
適格年金のやめ方