★年金受給権者3000人の反対に遭遇。JAL日本航空の西松社長、年金減額計画の危い状況を昨日のブログでお伝えした。「日航経営陣に残された手は、年金基金解散、残余資産配分しかないのか?」とメールをくれた方がいた。なんとなく、企業年金基金の事務方らしき文体である。十分御存じの上で聞いてくる、意地悪な質問である。
「基金解散になると年金受給者にどんなメリット、デメリットがあるのか?」という質問もあり。
基金解散・年金受給者・メリット・デメリット、この4点を結ぶ線は結構、複雑である。まずは、年金基金解散にも幾つかあることを整理しておきたい。
★年金基金解散も2種類ある。
年金基金の解散は厚労省の認可である。ここでは細かな認可基準のあれこれを解説はしない。企業年金の消滅、解散にも「前向き解散」と「破れかぶれ解散」があることだけは知っておいてほしい。年金基金の解散、必ずしも悲惨でもないのである。
・まず、「前向き解散」である。
基金解散→「前払い退職金」&「確定拠出年金」制度に移行するスキームである。解散時点で、OB年金受給者は「閉鎖年金」として年金受給者の最後の一人があの世に旅立つまで年金を支給するか、すべてを一時金で清算。
加入者の積立不足分は即時一括か4年から8年間で均等配分され各人の確定拠出年金(DC)口座に移喚となる。これは幸せな解散である。年金受給者からも恨まれて殴られたことはない。
・次は、「破れかぶれ解散」である。
会社経営破たん→基金解散→残余資産配分→年金受給者優先配分規定ならば受給者から先に配分、その残りを現役加入者で配分となる。
年金受給者は既に裁定された「給付現価相当額」=一時金相当額の権利もへったくれもない。残った資産をそれぞれの加入期間比か責任準備金比で配分ということなる。
会社倒産、「破れかぶれ解散」で積立不足をすべて充当して会社清算という話は、筆者はこれまで余り聞かない。会社清算の場合は、管財人から「ない袖は振れない!」ということになるようだ。
例えば、JAL日本航空のよう年金資産4084億円―退職給付債務8010億円=積立不足3926億円、加入者数1万6千人に対して年金受給者数9000人といった構成の場合、「破れかぶれ解散」になったらどうなるか?
受給者と加入者の配分方法を置いて考えても、加入者分の配分原資は雀の涙ならまだしも、もぬけの殻である可能性が高い。
JAL日本航空の年金問題、年金受給者、加入員、経営者、破れかぶれになる前に、少しだけ冷静になれば、賢い選択はまだあるはずである。
なお、企業年金の積立水準が債務の70%以下になった現在の状況からして、退職給付債務、年金資産、積立不足、それぞれ加入者分、受給者分を区分して情報公開することを求めることが必要である。
各人各様、自分の取り分の現在残高を把握しておくことが肝要である。
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