★これは国家の危機なのだ。朝日新聞6月23日号の中面に小さな記事、「税収不足2兆円超」を読む。この新聞社が社会の木鐸、国家の政策評価をジャッジする姿勢があるならば、この記事はトップ記事になるほど重要である。
社会保障費2200億円の抑制を柱にしていた自民党「骨太09」、総選挙前に「骨抜き10」に変更した6月23日である。自民党厚労省族議員の親玉、尾辻先生、「社会保障の自然増は認める」「無理のない範囲で節約に努める」「しかし、節約目標を数字では示さない」。
この先生、『節約』の意味をわかっていない。
★国家の借金は約1300兆円、年度の国家の収支は、税収約44兆円、歳出約80兆円強、毎年慢性的な赤字▲40兆円強のニッポン国なのである。この借金と赤字、先進国では最悪の水準なのである。
★「国の08年度税収は44兆円台と下方修正した見積もりを2兆数千億円下回った」「09年度の税収見通しも下ぶれが避けられず」という。
その原因は、企業が納付する法人税の落ち込みであるのは当然としても、すでに税収の予算割れは「3年連続」という。国会も国会で、財務省の杉本事務次官、丹呉主計局長、加藤主税局長らを呼んで、現状と見通しの誤り、なぜ報告させないのであろうか?
★先週の某日、麻生首相はこれら財務省高官らとホテル・ニューオータニの「千羽鶴」で一献傾け合っていたようだ。この日本食レストラン、ディナーで一人2万5千円強である。
国家の税収不足を酒の肴に何を語り合ったのか?麻生さんのポケットマネーで財務官僚らにご馳走するなら、それはそれで結構だ。
しかし、この首相や財務省高官らに少しでも財政危機に対する構えがあるならば、首相官邸で国家の予算を今後どうするのか、深い議論を徹底的にやってもらいたいものだ。
議論の最中、腹も空くであろう。是非に、ニッポンのサラリーマン&ウーマンの今の定番、500円コンビニ弁当を味わってもらいたい。財政再建は500円弁当からはじまるぐらいの心意気を示してもらいたいものだ。
★08年度にいたっては、「当初予算段階では53.6兆円を見込んでいたが政府は昨年末、46.4兆円に引き下げた」というから、これは完璧な予算政策の失敗である。すでに、税収53.6兆円で年度内に使う費用を組んでいた。ところが、政府は08年末に▲7.2兆円の減収がわかり46.4兆円に修正していたわけだ。これだけでも、国家も政府も財政危機感で身動ぎできないはずである。政権与党、自民公明党の政権執行の責任であるが、この時点で、野党民主党が政府に大幅な歳出削減を要求したかというと、そんな記憶は我々にもない。
★08年9月のリーマンショック、その後の世界同時不況、企業業績の悪化にあったにもかかわらず、09年度予算では税収46.1兆円を見込んでいるという。朝日新聞は「数兆円規模での下方修正が避けられない見通し」と書くが、まるで天気予報みたいな暢気な文体である。
★この新聞社の記者も危機感が薄い。「政府は、09年度に44.1兆円の新規国債の発行」「税収が『借金額』にすら届かない可能性」と同紙の磯貝記者は書く。「可能性」ではなく、「惨状」である。
我がニッポン国の借金蟻地獄はさらに深まった。これは未曾有の危機である。しかし、なぜか、マスコミ稼業の諸兄は不感症なのか、国家政府の危機を危機として伝えていない。
★国家の予算政策、ひとつとっても、下方修正に次ぐ下方修正、しかも3年間も大はずれだという。政策遂行能力が著しく低い。こうした政府と財務官僚達が、ただひたすら新たな財源として「消費税引き上げ」に突進していくのが、今のニッポンである。
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