★個人型確定拠出年金(DC)に加入して、税金年間約3万円強を節税し、60歳までに約800万円の積み上げを計画している30歳の男性をとりあげたい。先週は確定拠出年金(DC)のネガティブでアパシーな実情をいくつか紹介した。確定拠出年金(DC)を愛してやまない人々を大変暗い気持ちにしてしまった。今週は、積極的に確定拠出年金(DC)に加入し、将来への確かな生活設計を心がけている人もいる。いくつか紹介したい。
●ある日、会社は厚生年金基金を脱退、退職金も前払いに
★「個人型確定拠出年金」の加入者の現在30歳のA君である。勤め先の会社は、2001年に厚生年金基金を脱退し、同時に退職金制度も、前払い退職金(=給与払い)と中小企業退職金共済にそれぞれ50%という制度になった。前払い退職金は、前払い給与でうけるが、各人が個人型確定拠出年金に加入するか、そのまま給与で受取るか、それぞれ選択できることになっている。A君は、個人型確定拠出年金を選択した。個人型確定拠出年金の運営管理機関は各人で選択し、会社に届けて、掛金は毎月の給与から源泉してもらう。
●自分も月1万円を拠出
★会社の前払い退職金は月8千円、自分の懐から月1万円、あわせて月1万8千円、年21万6千円の積立である。個人型確定拠出年金(DC)の非課税限度額、上限までの活用である。
★確定拠出年金(DC)を選択することで、A君の年収400万円で所得税と地方税が年3万2千円強の節税となる。今後、年収が増えていけば、さらにこの節税幅は大きくなることをA君は知っている。まず、この節税幅を確定拠出年金(DC)を加入した場合、しない場合で比較してみよう。夫婦で子供一人、社会保険料は09年時点で計算。
●毎年、バラマキ定額給付金の2.7人分の節税
★年収360万円、DC加入なしで税金総額10万3千円、DC加入した場合の税金総額7万円、その差は約3万3千円。バラマキ定額給付金の約2.7人分が毎年享受できることになる。しかも、この節税、税制が変わらない限り、A君は30年は享受できることになる。その額、約90万円強である。
★年収800万円以上から1000万円未満になるとさらに節税額は劇的である。DC加入なしで税金総額70万5千円、DC加入した場合の税金総額64万円、その差は6万5千円。もし、20年間加入となると累計130万円強の節税となる。
★参考までに、個人型確定拠出年金(DC)に非課税限度額、年21万6千円の掛金を納めた場合、そうでない場合の比較一覧概算表を掲載しよう。
図版は日本生活設計で作成
※上記、30歳のA君は実話である。どこの企業とは公表できないが、社員数人の小さな会社である。小さな会社であるからこそ、そこで働く人には、将来に対して自覚的であらんことを願ってはじめた退職給付改革であった。確定拠出年金(DC)はなにも大企業だけの制度でない。中小企業にこそ最適な制度なのである。
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