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確定拠出年金(DC)、評価損▲50%の女性の場合

★確定拠出年金(DC)が制度として発足して8年が経過した。2001年12月、この制度をまっさきに導入したのは九州福岡に本社があるファミレスの「すかいらーく」であった。今回の例は、その「すかいらーく」の例ではないが、すでに加入期間8年、60歳の女性の場合である。
本ブログでは、自己責任といいながら、個人に資産運用のリスク回避の手法を伝授しきれない確定拠出年金の投資教育の曖昧さ、そして情報が行き届いていない現状を紹介したい。
この方の相談は、「60歳、今、年金か一時金か選択しないといけないのか」といった手続き的なことであった。これとて、制度を導入した会社、委託された運営管理機関が何もサポートをしていない現状をさらけだしている。

●マイナス▲50%の内訳は
★会社がこの女性に拠出した掛金は、これまで累計で約140万円。09年3月末で資産時価残高は合計で約70万円。評価損70万円、マイナス▲50%である。
★その資産配分は、日本株TOPIXのインデックス投資信託70%、フィデリティー日本成長株投資信託30%。前者はパッシブの投信で資産残高約50万円、後者はアクティブの投信で資産残高約20万円。拠出掛金の配分からすれば、元本だけなら前者は98万円、後者は42万円ということになる。

●なぜに、こうした資産配分にしたのだろうか?
★「会社の説明会には出たのですが、金融機関の人の口振りは、投資信託の説明ばかりで、投資信託で運用するのが確定拠出年金なのだと思いました」「私も定年60歳まで8年しかありませんから、ドカーンと儲かりそうな投資信託にしたわけです」「職場の上司に聞いたら、インデックス7割、成長性のあるものに3割が良さそうだといわれたのでそうしただけです」

●市場の激変に情報もなく
★この8年の間にいろいろな変化があったわけだが、この間、どうしていたのか?
★「年に1回程度の取引明細が送られてきましたが、よくみてもわからないのでそのままです。インターネットからアクセスしても、よくわからないし、会社も金融機関も、どうしたら良いか説明会もなにもないし・・」
★例えば、2007年6月にはようやく元本部分まで取り戻した頃も、08年9月リーマンショック後の大暴落の頃も、会社や運営管理機関からは何もなかったのだろうか?
★「私には何もなかったです。社内でもほとんど話題にもならないし、会社の誰に聞いたらいいのかもわからないしで、このままです」

●さて、どうしたらいいか?
★さて、どうしたいですか?60歳、直ぐに現金にしたいか?将来を期待して69歳11ヶ月まで持ち続けるか?この間、管理手数料は年間約3150円、10年で3万1500円を払ってまでもち続けるか?どの程度の損失額なら「切れるか」?他の個人金融資産はどう配分されているのか?
★「よくわかりませんね」とご本人の弁。
★ご本人には2歳上のご主人、すでに年金受給者でそこそこの年金だそうだ。「同じように確定拠出年金やっていましたが、主人は全部、定期預金で運用」「オレみたいにやらなかったからだと、威張っています」
★この女性に救いがあるのは、確定拠出年金以外に保険や貯金で約1000万円強の資産があり、国の年金が年100万円程度あること。そしてなによりもご主人の年金があることだ。

●やはり個人のリスク拒否度をどうはかってもらうかにつきるが・・・
★「ところで、私の確定拠出年金、すぐに現金でもらって、FX(外貨為替証拠金取引)で運用というのはどうでしょうか?FXはどうやればいいか教えて下さい?」との質問あり。
★本当に、遊び金であるならなんでもどうぞ。今現金で70万円、さらに大損、はたまた大勝ち、それはわからない。夫婦でどのくらいの資産があるかはわからないが、この方の場合、せめて、金融資産2千万円ないと、長寿リスクに勝てないことを諭す。その上で何で運用するか、を考えていただきたいとさらに諭す。
★いやはや、この方にとっては、確定拠出年金、拠出額140万円程度でよかったようだ。リスク分散と長期運用が確定拠出年金の真髄という投資教育の決まり文句がある。しかし、個人の資産運用、本人の心と家計の「リスク許容度」を計らない限り、そんな教条主義は通じないのが現実である。


※ご本人には実名を出さない条件で、本ブログに事例としてとりあげることをお許しいただいたが、金額など一部は脚色しています。

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2009年06月03日 10:40に投稿されたエントリーのページです。

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