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確定拠出年金(DC)、アパシー化の蔓延

★確定拠出年金は略称、DC年金ともいう。確定(Defined)した掛金(Contribution)によって運用された給付(Benefit)は運用結果しだいという年金制度である。運用は加入者個人に委ねられている。日本版401kと呼んでみたりしてきたが、本誌は「確定拠出年金(DC)」で用語統一したい。
DC年金の対立制度はDB年金。確定(Defined)した給付(Benefit)によって企業の掛金(Contribution)が常に変動する確定給付年金である。運用は企業の経営責任ということになる。
DC年金対DB年金。2009年6月現在、どちらが優性にあるかといえば、ともに立ち枯れの危機にある。

★しばらく、連続して確定拠出年金の現場の状況を伝えたい。なぜ、人々はこの制度にアパシーを決め込みはじめてきたのか探りたい。まずは、現場の人、それも加入者個人に会ってみなくてはならない。

★先週インタビューした人は、今から8年前、そのさきがけとなって、確定拠出年金導入に奔走してきた企業の人事部の部長であった。厚生年金基金解散、適年廃止、確定拠出年金導入を同時に実施するという離れ業に近い企業年金改革の立役者であった。
企業型確定拠出年金、その導入に一角ならない尽力した部長氏はすでに人事部から本職の営業企画に復帰して活躍している。久しぶりに、往時を懐かしみつつ現状を聞いた。

●すでに職場の話題にものぼらない

★「自分の確定拠出年金資産は、30%減。定年まで後10年あるからまだなんとかなるのではという望みはもっている。しかし、本当にもどるのでしょうかね」「お陰であのまま、厚生年金基金や適年をやっていたら今の会社の財務状況なら、完全に会社は破綻していた。当時の会社の困窮ぶりを知る経営陣には感謝されますが・・・」「社員や同僚はもう関心はないのか、職場でも話題にすらならない」

●小さすぎる掛金、さえない資産

★なぜ、企業型確定拠出年金の加入者は、導入時の熱意も関心も冷め、興味の関心もなくしはじめたのか?

★「やはり、確定拠出年金の運用が上手くいかないことにあるのでしょうね」「長期運用といっても、50台後半の人の運用期間は数年、若い20代・30代の人にとっては、余りにも掛金小さく、資産残高も100万円にも届かない、数十万円では関心どころか、定期積立預金にでもして、放っておくというスタンスみたいですね」

●運営機関におまかせ運営

★こうした、確定拠出年金(DC)のアパシー(無関心化)を打開するにはどうしらいいでしょうか?

★「発足から3年間は、コンサルの提言もあって、当時の私の権限で社内に確定拠出年金の権化のような人を専任でおいておきました。この方はともかくマメに社内をまわって、社員の相談にのっていました」「その後、この方は退職。会社としては新たに人材を割く余裕はないですから、銀行がやっている運営管理機関におまかせとなりました」

●継続教育の参加者、62歳の人が1人

「継続教育らしきものはやってはみたようですが、先月実施した継続教育には参加者1人、それも62歳の継続社員だったと聞いています」「元担当者としては、片腹痛いです。運用環境が元気になれば、また違うのでしょう。現状では絶望的です」

※当社(株・日本生活設計)は制度導入時、数年に及ぶコンサルを通じて、上記の会社とは労使、それぞれの方とお付き合いをした。コンサル業務の最終年の報告で、確定拠出年金の制度が社内に根付き、社員に支持されるためには、社内にDC年金の社員エバンジェリスト(啓発者)の存在が欠かせないことを提言してきた。残念ながら、この提言は現在は実現していないようだ。この会社の場合、この間の経営大変動のなかで、これは実現することもないであろう。ならば、労働組合はどうか?元部長氏曰く「組合の執行委員も委員長も書記長も、2年毎の持ち回りですから。もう確定拠出年金導入時の顛末を知る者はいないでしょう」とのことである。

※取材先の方には、当事者の属性を伏せる条件で、本誌掲載をお許しいただきました。取材協力ありがとうございます。

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2009年06月02日 07:52に投稿されたエントリーのページです。

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