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40年先の年金給付水準、むなしい占い

★現在25歳の君が40年後、2050年頃、65歳になると、今のように独身のままだと年金額は月23万円程度だよ、といわれたらどう思うのだろうか?これなら独身のままで暮らそうと思うか、これは大変と婚活にはげむのか、若い人々にはなんとも決断しようもないデータが厚生労働省年金局数理課から発表されている。予測とかシミュレートというが、これはもうほとんど「占い」の世界に近い。

★厚労省発表より先に日経新聞5月26日が報じている。

(1)現在の現役労働者の平均賃金月35万8千円、妻は専業主婦、夫婦の年金額は22.3万円。その内訳は夫の厚生年金9.2万円、夫婦の基礎年金13.1万円。現役労働者の賃金に対して年金の所得代替率は、62.2%。

(2)40年後はどうなるか?現役労働者の平均賃金月96万2千円、夫婦の年金額は48.2万円で所得代替率は、50.1%に縮小。

(3)40年後2050年の金額は賃金上昇率や物価上率をもって予測した数値だから、あわせて物価上昇率ももって現在価格に割り引いた数値もしめしている。それによれば、現役労働者の平均賃金月62万6千円、夫婦の年金額は31.4万円となるとのことである。

(4)これに妻の働き方でどう変わるかも示している。価格はすべて現在価格である。
・妻7年間働いた後は専業主婦の場合、現在の夫婦の年金は23.3万円、40年後は33万円、所得代替率は58.6%から47.5%。
・妻28年間働いた場合、現在の夫婦の年金は26.2万円、40年後は37.7万円、所得代替率は51.2%から42.1%。
・夫婦ともに40年間働いた場合、現在の夫婦の年金は27.9万円、40年後は40.4万円、所得代替率は48.3%から39.9%。

まったく、これでは夫婦で働いても年金を考えたら「虚しくなるだけ」とお思い女性のために、公表データでは独身者の年金も占っている。

・男性独身者は冒頭にあげたように、現在17万円が月23万円程度になる。
・40年間働いた女性独身者は、現在12.2万円が40年後、2050年には現在価格で17.4万円となるとのことである。

★国民年金は今後、税財源主体の制度になるとして、減価する一方の厚生年金である。いっそうのこと、民営化するか、個人勘定化して市場金利に連動する制度にした方がいいのではないか、という意見が高まることを見越して、厚労省はそういうわけにはいきませんというデータをも示している。

(1)もし、ここで民営化するなり、個人勘定化する場合は、過去分の年金資産を現在の年金受給者と加入者に配分する必要がある。その場合、過去の積立不足が問題になる。
(2)確定済み給付現価は約830兆円
(3)国庫負担分は約190兆円
(4)年金積立金は約140兆円
(5) (2)-(3)-(4)=積立不足財源として▲約500兆円
(6)この積立不足▲約500兆円は、現行制度なら50-60年ぐらいかけて後代の現役世代に賄ってもらえば済むが、今ここで厚生年金解体すればこの▲約500兆円の財源はどうしますか?というわけである。

この公表された国家的年金占いが虚しいのは、占い計算のパラメータ数値をいじればなんとでもなることにある。そして、この虚しい数字占いに興じている方々の50年後は?皆さん、あの世なのである。したがって、誰も責任をとらなくいいのである。

さらにまた、現行制度に継続して40年間、厚生年金と国民年金に加入することは、一個の人間の生涯設計では奇跡に近い時代なのである。前提となる、モデルそのものが絵に描いた餅である。

★年金制度がもつある種の胡散臭さは、なぜか40年先、100年先を占ってしまうところにある。それも、過去30年の占い実績からしたら、かなり精度が悪いものだから、余計にそう思ってしまうところがある。年金制度が数理という手法を手に入れて以来、予測とかシミュレーションといった形で、未来の不安を時価で常に割引いてみてみたいというのも年金の宿命でもある。
年金制度の未来の予測や占いで、人々は安心したり不安になったりするが、実際には、人々が知りたいのは、自分の保険料、自分の年金記録はシッカリ、正しく管理されているのかにある。

★ニッポンの年金論議、どこかがおかしいのである。それは、全国民共通といわれている基礎年金を誰もが40年間加入保証されるシステムに再構築し、最低限の年金として磐石にするという発想が乏しいのである。
その上で、老後を国家が面倒見切れるのは平均的な老後生計費の50%程度、現在価格いえば、夫婦で14万円程度。
それ以上は各人各様、若いときから何とかしてください、と勇気ある発言がないことである。
年金制度を国民の愚民化政策に活用してきた、その手法そのものが行き詰っている。

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2009年05月27日 06:48に投稿されたエントリーのページです。

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