★22万3千円。厚労省がえがくモデル年金である。2009年度(H21)の厚労省発「財政検証結果」では、現役世代の手取り月収35万8千円に対して所得代替率62.3%ということなる。夫の老齢厚生年金9万2千円・老齢基礎年金6万6千円、妻の老齢基礎年金6万6千円がその内訳である。
★実態的に、このモデル年金に該当する人はどの程度いるのか?社会保険庁が公表したH19年度データからみてみよう。
社保庁データでは、年金・年額は31区分にわたって構成人数を表示している。本稿は、これを6区分に整理して、その構成比をまとめてみた。
★08年度(H19)の男性の年金受給者864万5642人の「年金・年額」のクラス分けは下記の通りである。
<クラス>年金・年額→構成比
<最下位>12万円以上60万円未満→1%
<下位> 60万円以上120万円未満→8.01%
<中下位>120万円以上180万円未満→21.22%
<中位>180万円以上240万円未満→27.92%
<上位>240万円以上300万円未満→32.12%
<最上位>300万円以上→9.72%
★上位クラスの240万円以上300万円未満が約32%、中位クラス180万円以上240万円未満が約28%、合計60%の年金受給者は、厚労省が掲げるモデル年金に該当する。ただし、中位クラスの年額180万円で月額16万円以上の人は、同じ社会保険庁のデータにある年齢別の平均年金額によると、2008年度で65歳以上、09年では66歳から67歳以上の年金受給者の平均額となるから、戦中のS18年以前の生まれの世代が大半となるのであろう。
★したがって、ここ5年間ぐらいの新人の年金受給者の年金額の水準クラスはどうなのかに興味は移る。
★平成17年度の新規に年金受給者の場合でみてみよう。
この年度に60歳になったということは、S20年4月2日からS21年4月2日生まれあたりの世代ということになろうか。09年現在64歳から65歳である。
社会保険庁平成17年度・新規裁定者の年金年額のデータから、6区分にわけてみたのは、下記の年金額クラス構成比である。
<クラス>年金・年額→構成比
<最下位>12万円以上60万円未満→6.9%
<下位> 60万円以上120万円未満→40%
<中下位>120万円以上180万円未満→47%
<中位>180万円以上240万円未満→2.9%
<上位>240万円以上300万円未満→2.9%
<最上位>300万円以上→0.3%
★下位60万円以上120万円、中下位120万以上から180万円で合計87%となる。この世代が60歳で年金受給開始(このデータに含まれる新規裁定者はかならずしも60歳とは限らない人もいる)とみると、部分年金である老齢厚生年金だけとなる。
この世代が満額年金となるのは63歳。老齢基礎年金相当分の平均額(H19年度)が約5万3千円を、下位と中下位の老齢厚生年金に加えてみる。
月額5万3千円から15万3千円クラスに40%、月額15万3千円から21万3千円クラスに47%と推定できる。
★いずれにしても、高額年金受給者の激減ぶりもすごいが、約87%、すでにほとんどの年金受給者は、国のモデル年金額に60%の人が該当する前世代と比べても、ワンランク下の年金生活を余儀なくされていることになる。
当然、これから年金受給者となるS22年生まれからS24年生まれの団塊世代の年金は、下位クラスに集中することは必至である。
★本稿の年金年額のクラス別構成比を図表を参考までに掲げる。

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