★多くの企業では、社会保険データを永久保存しているわけではない。法律的には、2年間の保管義務しか企業に課せれられていない。
本人が「ねんきん定期便」を会社に持参して、人事部や総務部に「どうもここが怪しい」「この時期、こんな低い給与なわけがない」「調べてください」と訴えたところで、企業には直近数年分(税務上の保管義務7年程度)ならともかく、それ以前、何十年前となると、データや書類を廃棄しているというのが現実である。
「ねんきん定期便」の厚生年金の標準報酬・賞与・保険料納付月別状況(過去のすべての記録)のやっかいな点は、社会保険庁が言うように原則は、「勤務された会社などの事業主からの届出に基づき決定」されていることになっていることである。
従って、本人が疑念を抱き、社会保険庁に訴えたところで、社会保険庁は「会社からの届出の通りだから、会社に確認し、その当時の届出書類の写しを持ってきて下さい」ということになるのであろう。
★社会保険庁にある報酬データにも当然、「間違い」「ミス」はある。この要因は、会社の届出書類の場合もあれば、社会保険庁での入力やチェックミスの場合もある。それを訂正する最後の拠り所は、本人の給与明細書と会社が社会保険事務所に提出した資格取得・算定・随時改定・資格喪失の届出書類ということになる。
★理想的には、まず、本人が保存している「はず」の給与明細書で本人が突合することである。
次にそれもない場合は、会社で「保管」している「はず」の給与データ、資格取得・算定・随時改定・資格喪失の届出書類との「突合」を会社がやってくれるならば、これほど「安心」なことはないはずである。
★しかし、現実的には、企業がそうした届出書類や給与データを長期にわたって保管整備しているケースは稀である。給与や賞与データは磁気テープで30年前のものでも保存している企業はかなりあるが、届出書類の永久保存をしている企業は少ない。過去の膨大な書類をマイクロフィルムで保存している企業もあるようだが、筆者が知る限り、これとて大企業のほんの一部である。
★企業の「ねんきん定期便」への対応法は、今のところ、これといったものはない。実際には、ケース・バイ・ケースの対応となるのであろう。企業でできること、今は、せめて、過去分の届出書類で保管しているものを整備しておく以外に術はないようだ。
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