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オー!ミスマッチング、確定拠出年金掛金改正案

★確定拠出年金の掛金、非課税限度額のアップが検討されている。しかし、そのコンセプトというか目的が今ひとつ明快でないように思う。
現在、厚労省は、企業型確定拠出年金でも個人拠出(企業拠出の掛金とあわせて社員も拠出できる「マッチング拠出」という)の導入を可能にできる税制改正案※を提示している。これで、個人も確定拠出年金資産運用に大いに目覚めて欲しいといった願いもあるのであろう。
確定拠出年金の本質は課税繰り延べメリットである。もし、個人が老後資金として拠出するならばこの非課税限度額を目いっぱい活用できる節税効果は大きい。
※09年3月6日閣議決定によって、確定拠出年金の改正案は実施となった。

★厚労省 確定拠出年金掛金改正案をみてみよう。

・企業型の場合(会社と個人の合計拠出額=非課税限度額)
 イ:他の企業年金がない場合 月額4.6万円→月額5.1万円(年61.2万円)
 ロ:他の企業年期がある場合 月額2.3万円→月額2.55万円(年30.6万円)
なお、個人が拠出できる金額は企業が拠出できる範囲を超えられないといったケチなことが条件。

・個人型(確定給付企業年金や確定拠出年金等の企業年金がない企業の厚生年金加入者
 月額1.8万円→月額2.3万円(27.6万円)

★個人型の非課税限度額の低さ、これは、なぜ、こんなに小さいのか大いに疑問がある。

厚生年金しかない企業には中小企業退職金など他の非課税枠があることを「推定」した上での、官僚的なケチでさもしい当て推量なのだろうか。

筆者が知る実際の個人型確定拠出年金加入者は、他に退職金などがない人が多い。他に企業年金などもなく企業型確定拠出年金もない企業の従業員は、厚生年金被保険者3400万人の半分以上である。今後、適格年金加入者500万人のかなりの部分が、適年廃止、企業年金なし、退職金もなしにおかれることが予想される。この人達にとって企業個人型は有力な老後資金準備の手段になる。

この非課税限度額の月額2.3万円(27.6万円)は、企業型確定拠出年金の非課税限度額と比べても差別的ですらある。こうしたことを全国の商工会議所など中小企業団体は、なぜ怒らないのか不思議ですらある。

★企業型の場合、会社の掛金にあわせて個人も掛金拠出ができる、これは制度のそもそもの趣旨からしたら当然である。しかしながら、「個人が拠出できる金額は企業が拠出できる範囲を超えられない」という規定、これは確定拠出年金の実態を知らないも甚だしい。

★まず、定率掛金の場合、40歳未満の若年者の掛金は、年間数千円から数万円程度である。過去の旧来の退職金からの移行分があったとしても、その残高、軽自動車1台分にも相当しない人がほとんどと言っても過言ではない。

★20代から30代、若年者ほどお金を積み立てる重要な時期なのである。しかも、この世代ほど、年金不信は深く、かつ投資意欲がある。
今回の「マッチング拠出」制度、若年期に集中して老後資金を積立できる機会をあらかじめ奪っている施策である。あきれるというかセンスのなさに笑ってしまう。折角の世代間格差を、課税繰り延べを活用して縮める好機を政府みずからが逸失してしまったケースとなるであろう。

★ならば、40代後半から50歳台ならばどうか?確かにこの世代は会社掛金もピークに近づく。
某企業の制度では、年収1000万円強、部長職、確定拠出年金掛金は最大で55万2千円となる。
ところが、この世代は、自分の老後よりも住宅ローン返済、子供の教育、親の介護で青色吐息の家計が多く、個人拠出のできる余裕ある家計はかなり恵まれた家計である。

確定拠出年金の個人拠出は、20代~30代を制度シンパにする最大のチャンスなのである。
残念ながら、日本の年金政策立案者、若者がお嫌いのようだ。

★さらに、確定拠出年金の個人拠出の限度年齢である。もし、現行の60歳打ち止めのままとするならば、これまた、本当の意味で老後資金の最後の積み上げ機会を個人から奪ったままにすることになる。
60歳定年、今の46歳以降は無年金世代である。何らかの形で65歳まで働かなくては、60代前半はやりすごせない。そして、この時期になってようやく、老後資金の足りなさを後悔する。
ラストチャンス、最後の5年、非課税で拠出する機会を与えることは、この世代に多少の救いをもたらすことになる。また、確定拠出年金資産運用、大損小損も、自己責任自己拠出で多少でも取り返すチャンスをつくりだすことができる。

残念ながら、当初は65歳までの拠出案も論議されていたようだが、財務省あたりに文句言われて引っ込めてしまったようだ。

未来ある年金、確定拠出年金をどうして再創造しようとしないのであろうか。
残念ながら、日本の確定拠出年金の政策論議の立役者達、どうも人生双六の上がりに近い学者や金融機関の人ばかりである。確定拠出年金の現役の加入者、運用指図者の声がない。

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2009年03月06日 06:27に投稿されたエントリーのページです。

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