★多くの企業が業績悪化するなか、社員の多くは将来への不安を心の底で大きなわだかまりとして抱きつつある昨今である。
ライフプラン研修の最近の状況は、40代現役セミナー、58歳以上セミナーと区分する傾向になりつつある。
40代現役セミナーは、これから10年間の最後の稼ぎをどう積み上げるか、その上で60歳時の人生選択をどう準備していくかが主眼におかれる。
58歳以上セミナーは、60歳前後の定年手続きが中心として、継続雇用後の給与と年金の組み合わせ方法が課題であった。リーマンショック後は、同じ会社での継続雇用は少なくなり、ほぼ「定年退職」、「完全年金暮らし」を余儀なくされているのも大方の状況であろう。
しかし、定年退職、完全年金暮らしとはいえ、国の年金は部分年金世代であるから「完全」というにはいささかおぼつかない。60歳台前半、再び働いて稼ぎにでざるをえないのも大方の現実でもある。
先週実施した58歳以上セミナー、リタイアメント準備研修での59歳の方からの質問である。
★自分は60歳定年後、雇用保険を受けた後、またどこかに再就職を考えている。
雇用保険から「失業手当」(基本手当)を受けてから再就職した場合である。60歳から即・継続雇用した場合にもらえるはずであった「高年齢雇用継続給付金」はもらえるのか?
★「高年齢雇用継続給付」制度は、個人にとっては何とも分かりにくい。
60歳からは「高年齢雇用継続基本給付金」、「高齢再就職給付金」、「再就職手当」という3種の制度がある。
「高年齢雇用継続基本給付金」は、定年直前6ヵ月間の平均給与に対して、60歳以降の給与が25%以上のダウンとなった場合に、雇用保険から支給される給付金である。60歳~65歳まで受ける。
60歳定年・再雇用・継続雇用が条件である。
60歳時の平均給与に対して、15%が給付金額となる。例えば、その給与が20万円なら15%、3万円ということになる。
例えば、年間給与が240万円の場合、高年齢雇用継続給付金が36万円、在職老齢年金が約7.8万円(老齢厚生年金10万円の場合)で93.6万円、合計369.6万となる。
★ただし、雇用保険を受けてから、再就職する場合、雇用保険受給期間の残存期間が三分の1以上かつ45日以上ある人に限って、2つの選択肢がある。
ひとつは、残存期間分を再就職手当として一時金として受ける。例えば、100日分残存期間があり、基本日額が上限6741円の人の場合で、上限が4731円となり一時金は約14万円程度の再就職手当となる。
2つ目は、雇用保険が100日以上あれば、雇用保険からの給付金が1年間だけ受けられる。ことを選択する方法がある。これを「高齢再就職給付金」と言う。
1年間だけというのがミソで、その給付は1年間だけ受け取れる。例えば、上記の例では年36万円となる。再就職給付金と比較して、5か月以上勤められるならば、高齢再就職給付金が有利ということになる。
上記の例、定年前月給45万円、60歳から雇用保険を50日分取得、以降月額20万円の給与で再就職、老齢厚生年金の基本額は10万円、再就職後は在職老齢年金(さらに高年齢雇用継続給付をとると減額)が約月額7.8万円の場合である。
★この選択は、実際には、結構複雑である。継続雇用先か再就職の企業の人事担当者か、ハローワークの窓口で試算をしてもらわないと選択の術がない。
また、定年前の給与の確定の届も必要となる。残念ながら多くの定年退職者にこうした情報は行き届いていない。また、企業の担当者も余り詳しくは理解していない。
★上記の例、男性で昭和24年4月2日以降生まれ。年金には配偶者の加給年金、また企業年金を含まない。また、「高年齢雇用継続基本給付金」、「高齢再就職給付金」、「再就職手当」とも所得税の対象にならない。非課税である。下記にそれぞれの金額事例を一覧にしたので参考にして下さい。

年金お助けBOOK 2008-2009年版
適格年金のやめ方