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公的年金、100年見通しは罪作りである

★厚労省発2009年度、公的年金100年見通しが2月23日公表された。09年度時点での年金水準22.3万円。勤労世帯の賞与をふくむ平均月収35.8万円に対して、夫=厚生年金、妻=国民年金、それぞれ40年加入した場合である。年金額/平均月収=所得代替率、62.3%だそうだ。

★30年後、現在36歳のサラリーマン、2038年には勤労世帯の平均月収52.5万円になるそうだが、残念ながら、09年度ベースの32.7万円は到底無理なので年金水準は26.3万円に抑えこむ。それでも年金額/平均月収=所得代替率、50.1%にはなるそうだ。

★今回の厚労省発年金財政100年見通し、その空想的経済予測の前提は、2004年度の100年見通しからブレはじめていることは忘れないでいて欲しい。
・現下の不況脱出後、2015年度以降の実質経済成長率0.8%
毎年の賃金上昇率は2.5%
・物価上昇率は1%
・年金資産積立金の運用利回り4.1%
・将来の出生率は1.34
・厚生年金保険料2017年以降は18.3%で固定
・なお、妻=国民年金=専業主婦=第3号被保険者=保険料なしがそのままかどうかは、現時点では不明
・国民年金国庫負担割合は現行3分の1を09年度は2分の1
・国民年金の納付率は現在約60%を目標80%達成(H19年度)が前提なのかどうかは現時点では不明

★ちなみに、2004年小泉内閣の「年金100年計画の前提」を再掲しておく。
・賃金上昇率は2.1%
・物価上昇率は1.0%
・年金資産積立金の運用利回り3.2%
・2050年の出生率1.39

※太字は09年度に修正したもの。特に運用利回り(期待収益率)の変更はかなり意図的である。

★やはり、厚労省ならびに現政権の年金政策は罪作りである。前提である年金運用の期待収益率をエンピツ舐め舐め高くすれば制度維持できるという手法には国家的な嘘がある。これでは、若年層の年金不信、年金嫌いを一層蔓延させるだけだ。100年先まで空想的に描く手法そのものが絵空事である。

真実に対する謙虚さがあるならば、国家による年金運営の困難と限界をあますところなく公開すべきなのであろう。例えば、「この先、20年はなんとか財政均衡できますが、その先は今の40代、30代の人達に年金制度の最適化を考えてもらう以外に、国民が満足できる制度は維持できる自信はありません」と・・・。

なお、こうした給付水準の公的な提示は、多くの人々の将来設計を惑わすこともあることを付け加えておく。09年度時点での夫婦の年金水準22.3万円、サラリーマンなら誰もが受けられる水準ではない。

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2009年02月24日 09:24に投稿されたエントリーのページです。

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