★厚労省の予測試算では、製造業の現場で働く非正規労働者の8万5千人が職を失うという。しかし、実際はその数はかなり甘いということが明らかになった。非正規労働者の救済策をもりこんだ第二次補正予算案が成立した1月27日、自民党労働者派遣問題研究会に呼ばれた派遣・請負会社の業界団体、日本生産技能労務協会と日本製造アウトソーシング協会からショッキングな予測が発表されている。
製造業で働く非正規労働者は08年9月末時点で25万人、09年3月末までに10万人が雇用調整される予定という。雇用調整というのは、必ずしも契約解除、解雇ばかりではなく、一時帰休や休業休職なども含まれる。さらに、製造業の現場で働く派遣や請負労働者は約100万人、2つの業界団体の推計では、今後、40万人が失業の危機にあるという。
★日本人材派遣協会によると、「主な派遣会社107社に登録する派遣社員の08年10~12月期の実稼働者数は前年同期比1.9%減の34万2千人で、02年の調査開始以来、初のマイナス」(朝日新聞1月28日号)。
★日本経済が戦後最長の「いざなぎ景気」を超えたなどと、ミニバブルを謳歌していた2007年1月、雑誌「東洋経済」は「雇用破壊―もう安住の職場はどこにもない」というテーマで、非正規雇用の現状を分析している。
同紙に掲載されていた「日本の労働市場の分布」から日本人の労働形態を数量的に把握しておきたい。04年の総務省「労働力調査2005」、厚労省「派遣労働者実態調査2004」、経済産業省「人材ニーズ調査2003」からの解析集計のようだ。これらは日本経済絶頂期に登りつめていた03年から04年頃の数値であるから、08年9月のリーマンショック以前の非正規労働者はこの数値よりはもっと多い数字になるはずである。
★雇用者5407万人、その内訳
1.正規社員:3774万人(なお、厚生年金加入者は3500万人であるから約274万人は未加入状態か国民年金だけの加入ということになる)
2.非正規社員:1633万人
①直接雇用(企業が直接雇用契約を締結)
・アルバイト:340万人
・契約や嘱託社員:278万人
・パート:780万人
・その他
②間接雇用(派遣会社や請負会社経由の雇用)
・請負社員:86万人
・派遣社員:106万人
・その他
3.自営業者(および家族従業者)928万人、そのうち個人請負は70万人
★製造業現場ばかりか、今後、サービス業にまでおよぶであろう経済不況の波は、非正規労働者ばかりか正規労働者の雇用調整も避けてとおれないとすると、失業者数は350万人から500万人といった推測もできる。現状では、製造業派遣雇用を禁止するなど非正規雇用の規制強化することは、さらに、非正規雇用労働者の失業をもたらすといった悪循環にいたることは必至である。
それにしても、この03年から07年の日本経済のミニバブル時代、政府も官僚も足元の雇用形態の変動に対して、セイフティーネットの再構築を怠ってきた罪は重い。数度にわたる緊急経済予算での非正規対策は総額5700億円規模であるが、焼け石に水になりそうな雲ゆきである。
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