★日本マイナス16.6%、米国マイナス7.8%、日米の鉱工業生産指数の対前年度の減少率である。日米の景気後退の深度を競い合っても意味はないが、実際は日本の景気後退の方が深刻なのではないかと思う数値である。米国自動車ビッグスリーの苦境、失業者増258万人、住宅差し押さえ250万件といったマスメディア情報や、ミズリー州では住宅が500ドルで投げ売りなんて聞くと、我々日本にいるものは、米国経済は断末魔の淵にあるような印象になってしまう。実は、我々の耳目が知りえる米国経済事情は断片だけでしかないと思っておきたい。
★さて、日本経済の現況である。日経新聞1月26日号、月曜日版に景気指標が掲載されている。まずは、足元の日本経済で起きている数値から把握しておきたい。
★鉱工業生産指数の対前年比は、05年度1.6ポイント増、06年度4.6ポイント増、07年度2.6ポイント増であった。これが、マイナスに転じる兆しを示したのは08年3月マイナス0.7ポイント、2ヵ月連続してマイナスとなったのは、08年10月7.1ポイント、08年11月マイナス16.6%と急激な落ち込みとなったわけだ。
★製品在庫の前年比は、08年11月はプラス4.3%、製品在庫率は127ポイントということだから、急激な景気後退でも製造現場は生産調整が効かず、倉庫には製品在庫が山になりつつある状況が想像できる。08年12月、俄かに走りはじめた製造業の生産縮小、在庫調整は今始まったばかりだ。
★広く産業全般をみてみよう。
・08年11月末の製造業の稼働率は88.5ポイント。
・集積回路生産指数は前年比マイナス27.1%。
・広告扱い高(電通・博報堂)は08年2月から連続マイナス、12月はマイナス11ポイント。
・建築工事受注マイナス12.5%。
・マンション契約率61%。
・新車販売台数の前年比はマイナス16.7%。
・旅行取扱状況の前年比は08年8月から連続してマイナス6%から11月は7.7%。
・サービス業の指数である第三次産業活動指数の前年比マイナス3.5%。
すべての産業にわたって、オール・リセッション、全面後退である。
★デパート売上高をもって「消費低迷」といったニュースにお目にかかるが、デパートそのものは06年度マイナス0.9ポイント、07年度マイナス0.8ポイント、08年マイナス9.4ポイントというようにデパートそのものが、今、大きな縮小均衡に向かっていることを示しているようで景気後退以前の問題のようだ。
さて、日本人の消費減少は激しいと思いきや、小売業販売額の前年比は08年11月マイナス0.9%と小振りの減少である。しかし、米国の小売業売上高の08年12月末の前年比は、マイナス10.8%と激しい減少である。米国人が一斉に倹約に走りはじめた?とすると、やはり、米国市場への消費財の大量輸出に頼ってきた日本の企業の場合、そのビジネスの成り立ちを変えるところまで、「大胆な経営改革」は進むとみておきたい。まだまだ、日本経済、底を打つまでには長い道のりである。
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