★確定拠出年金の監督官庁である厚労省は、なぜ、この制度でこうむっている加入者の損失額の全体調査をしないのであろうか?運営管理機関からモニタリング集計を提出させれば、その総額ぐらいは把握できるはずである。幾つかの資産配分のパターンによって、どの程度の損失額になっているのか、その傾向を明示するだけでも、この制度加入者に損失への対応の気構えを喚起することができる。確定拠出年金の現場では、多くの加入者がなす術もなく、自らの運用損失に茫然自失である。まだ、対策に思案している場合は良いほうで、恐らく、多くの日本版401k加入者、DC'sはさらに無関心にむかうのではないかと危惧する。
★2009年の年始1月5日、東京株式市場で日経平均株価は続伸した。昨年末の12月30日の終値に比べ183.56円高、9043.12円。08年11月10日以来約2カ月ぶりに9000円台を回復したという。しかし、企業型、個人型の日本版401k、確定拠出年金の運用損失の拡大は個人にとってはなかなか埋まりそうにない現状である。
日本株の投資信託50%、定期預金5年物を50%、こうした資産配分例では09年1月現在で、マイナス10%から20%程度かかえているのが現状である。掛金拠出額の総計が1000万円程度の人の例でも、評価損マイナス100万円からマイナス200万円というのもざらである。定年まで余すところ後数年という50代後半に人にとってはより深刻である。
★現状においてこの損失に打つ手はあるのか?と聞かれて、明快に答える人はいない。
企業の確定拠出年金担当者は、今、困惑の極地にある。某企業の担当者に、どんな回答をしているのか聞いたところ、「僕には未来のことを予測できません。年金は長期運用が基本だから、そのつもりで運用してください」と答えているとのことであった。
この場合は、60歳定年まで10年以上、毎年の掛金が30万円程度あるまだ40歳代の人には、運良く当てはまるかも知れないし、そうではないかも知れない不確実な話だ。
麻生首相が言うように全治3年という日本経済の景気回復が3年で達成できれば、3年後に運用損失をリカバリーできるかも知れないが、これは根拠ある話でもない。
今、必要なことは、確定拠出年金導入から8年、この資産運用の現状を包括的に認識し、運用の失敗を明確にすることなのであるが、残念ながら、その情報はない。あるのは断片的かつ個別的な事象しかない。
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