★日経平均株価8599.50円、円・ドル為替レート90円、長期国債利回り1.215%。12月25日現在の水準である。企業年金や公的年金の資産運用はオール・マイナス▲20%近い欠損、討死に近い惨状である。
個人はどうか?国内株、外国株、外国債券、FX、商品先物で運用していたお方もオール・マイナス運用である。我が身近にいるデイ・トレーダー君もまったく冴えないようだ。勤労生活最後の退職金を変額年金、毎月分配型投資信託に投資した年金生活者は惨憺たるものである。その資産残高の20%から50%が減価してしまっている。さて、それでも身投げ、夜逃げ、テント生活にいたる運用失敗者はまだ見かけない。
我が周辺にいる自称、個人投資家の何人かもその損失、数10%と言っていたが、結構、暢気に暮らしている。さすがに年末年始、ハワイやイタリーですごすといった話は聞かないが、夫婦で国内の温泉だそうだ。暢気の源はなんなのか?他人の懐をのぞくようで恐縮であるが、ある傾向を参考までにみておきたい。
★暢気な個人投資家、世界同時不況にも動じない、その泰然自若ぶりはお見事である。その秘訣は共通している。シンプルな5点である。
まず、借金がない。住宅ローンもリボ払いも債務もない。もちろんレバレッジ投資、証拠金取引もしない。要するに人から金を借りないのである。聞けば、住宅ローンは毎年の繰上げ返済で借入期間25年を15年で完済したという。「返済にまさるパフォーマンスはない」のである。
第2に、モノを持たないと言うもう1人の個人投資家は、家も車も買わない。家は賃貸住宅、車はレンタルだそうだ。それで不自由はない、家と車は持つコスト、保険、税金はばかにならないからというのが理由である。「コストをできるだけ排除する」というのが人生哲学。しかし、なぜか、前妻に2人、現妻との間に3人というように子宝に恵まれている。なぜか?「子供はハイリスク・ハイリターンであるがゆえに、自らにリスクコントロール、投資する意義を教えてくれるありがたいベンチマーク」だそうだ。
第3に、ケチである。呑む酒は割り勘、まず、おごってくれたことがない。いつも、財布にもつ現金は1万円というから徹底している。万が一の場合、家に帰るタクシー代だそうだ。新聞も雑誌も定期購読しない、本も買わない。すべて、ウエッブサイトと図書館ですますそうである。もう1人のケチ人は、カバンに大きなオニギリをもっていたのには驚いた。昼飯だそうだ。「倹約にまさる運用収益はない」のである。
第4に、人の話をよく聞く勉強家である。投資セミナーや研修会にはできる限り、足を運ぶそうだ。
第5に、ビジネス書を書く「偉い人の話」を信じないそうだ。世に言う世界的投資家とか世界的経営コンサル、学者や評論家という類の発言は、基本的に未来を予告しているわけでなく、「後追い」「後だしジャンケン」というのが共通した社会観のようだ。「偉い人の話は、時代の風のひとつぐらいに聞いておく」そうだ。
この5点は、すべての堅実かつ賢者の個人投資家にあてはまるわけではない。しかし、筆者の知る何人かの個人投資家には、このうち何点かは共通した傾向と資質である。
40歳の時に、資産運用の大切さを知ったという我が友人のAさん、60歳時点で金融資産、約6000万円まで積上げたという。もちろん、早期退職金がその半ばとはいえ、フツーのサラリーマンであった。かつ、個人投資家である前に堅実かつ賢い生活者でもある。
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