★金融危機と景気後退が深まるなか、日本版401k、確定拠出年金の損失も拡大している。現在58歳、資産時価残高1320万円-運用額1500万円=評価損マイナス180万円のAさん場合である。2つの難問がある。1点目は評価損マイナス180万円をどう処理するか?2点目は旧来の退職金なら2000万円との差額、約700万円である。もし、これをあてにして生活設計をしていたとすると大幅な計画の見直しが必要となる。しかし、今は、深い入り江に入り、嵐と台風、ハリケーンをやり過ごす他に術はない。運用の努力は、でき得る限り、傷を深めないにつきる。
★事例、Aさんの確定拠出年金資産時価の資産構成は、以下の通りである。
・確定拠出年金定期預金3年物、50%
・日本株投資信託(アクティブ)、25%
・外債投資信託(アクティブ)、25%
★Aさん本人は、「ともかく、これ以上の損失を拡大したくない」という。60歳定年時は一時金で受け、少しでも住宅ローンの残債にあてたいという。
★評価損マイナス180万円は、日本株投資信託(アクティブ)25%、外債投資信託(アクティブ)25%に主因がある。今後の2年間で急激な値上がりがあったとしても、そもそも、Aさんはこの商品をよく理解して購入していたわけではない。恐ろしいのは、投資信託の騰落率にパッシブもアクティブも違いはなく、違いは手数料がアクティブは圧倒的に高いことである。今の時代、手数料が高く際立ったパフォーマンスもないアクティブ投資信託は限りなく「問題の多い」>運用商品であることも良く理解していないAさんであった。ならば、答えはカンタンである。
★元本確保型とはいえ確定拠出年金定期預金3年物は、最も低い利率である。55歳で加入、そのうちリスク資産で運用と考えているうちにズルズルと超低空飛行。確定拠出年金の定期預金や利率保証保険は、上は1%前後から下は0.45%まである。なぜ、利率を比較しなかったのか?「今から60歳時まで2年間なら、5年物に乗り換えた場合、受取時に金利が普通預金並かペナルティーが取られるのでは?」と思っていたそうだ。日本版401k加入者、DC’S の多くは、元本確保型商品をよく理解していない。実勢金利も税制面でも、市中の商品よりも圧倒的に有利なのは、実は確定拠出年金の元本確保型商品なのである。期間5年物ならば預け入り1000万円以上の大口定期預金金利並みかそれ以上という商品もある。
★Aさんは、60歳までの後2年間の掛金総額は約40万円。この掛金も積立資産も元本確保型の運用商品に集約することを考えている。利率0.8%とした場合、60歳時の想定元利合計額1380万円―運用掛金総額1540万円=推定評価損マイナス160万円となる。確かに、評価損そのものを消すには時間が足りない。当初の評価損マイナス180万円から20万円ほどカイゼンしたことになるが、決して満足できるものではない。しかし、今は他に術が思いつかないというのがAさん、そして多くの人の現状だ。
★これは、あくまでも、「なんとなく」「漫然と」確定拠出年金運用してきたAさんのけなげな見直しの例である。誰もがこの通りやれば万事OKというものでもない。さて、あなたなら、どんな投資行動を起こすのであろうか?年末年始の正月休暇、もう一度、自分の年金、確定拠出年金をチェックしてみようではないか。
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