★正規、派遣を問わず全世界のソニーで16000人のリストラが行われるという、ソニーショックが走り抜けた12月10日、昼下がりに当社がある五反田の街を歩く。ソニー発祥の地でもある五反田、品川は、ソニー本社からその関連企業が群れなすソニーエリアでもある。いつもはソニーの社員らしきお客でにぎわう五反田のイタ飯屋は心なしか人影がまばらであった。次は、キヤノンか東芝かNECか。長期の大失業時代の到来におびえる人々の層は、正規・非正規にかかわらず、20歳台から50歳台の全世代の全勤労者に拡大している。
★すでに日本国政府の政権与党は脳死状態。緊急経済対策どころか、今ここに溺死する人達が次々に川下に流れだしているのに、川上で「なぜ、人は溺れるのか?」と議論をしている風情である。政権与党のリーダー麻生首相への信認は、後半月の在任期間しかない米国ブッシュ大統領並みの凋落ぶりである。
もし、ここで麻生さん、逆転ホームランを放ちたいならば、次の政策を緊急かつ果断に実行することを提案する。
★緊急雇用改善策は国家的なワーキング・シェアである。
まず、国家公務員66万人、地方公務員295万人、合計361万人のうち56歳以上で年収800万円以上の役職者を「早期退職」、60歳まで報酬半額の継続雇用とする。その数は定かではないが、5%としても約18万人。その10%としても約2万人弱のあらたな雇用を失業層から吸収できる。派遣社員や期間労働者、内定取り消し学生を優先的に雇用すれば、彼ら非正規労働者の不安はわずかでも沈静する。
公務員の仕事はそんなに簡単ではないというお役人がいるだろうが、上から去っていってもらうわけだから、順繰りで下の者が上にあがればいいわけである。勿論、新たに公務員になった人達は、まず、公務員の勉強を下積みからやってもらうことになる。公務員で特殊技能が必要な職種を除くのは当然として、フツーの頭があれば1年もやれば、フツーの公務ぐらいできる。56歳以上の公務員は、早期退職金と継続雇用の給与などでなんとか59歳までしのぎ、60歳からは年金でなんとかやってもらう。
★2番目は、官庁の外郭団体などもしかりである。ここは60歳以上で元公務員OBはトップの理事長から嘱託・継続雇用者も年金生活に入る。国家存亡の危機、多くの現役世代が失業と貧困の淵にあえぎだした今、身を挺して勇退してもらおう。
筆者が知る総合型厚生年金基金や総合型健康保険組合、国民年金基金など厚労省関連の外郭団体には、60歳過ぎても、公務員の共済年金と給与で年収800万円前後なんていう社会保険庁OBがぞくぞくいる。社保庁外郭ばかりか、日本国家や地方自治体の外郭団体は、プロパーでも65歳、官僚OBだと70歳まで働けるケースをみかける。
官庁の外郭団体に60歳以上の在職者がどの程度いるかは、その数は定かではない。
厚生年金加入者は男女で3千379万人、60歳以上の加入者は男性で7.9%、女性で5.5%であるから、60歳以上の勤労者は、男性約175万人、女性約64万人と推定できる。このうち10%程度が官庁の外郭団体職員としても約24万人となる。このなかから年金が年200万円以上の人に勇退願った場合、どのくらいの雇用創出となるかは推定不可能であるが、確かなことは官庁の外郭団体の若返りにもなるはずである。
明らかに60歳以上とわかる警察官OBのオジサンたちが、駐車違反の取締りで街を徘徊している。なかには、足を引き摺ってヨロヨロ歩いているお方をみかける。いかほどの報酬なのかはわからないが、当面の緊急雇用の仕事としては最適なものである。
★3番目は、民間企業であるが、個々の企業の選択である。すでに60歳から65歳の継続雇用者は、会社のリストラ策で真っ先に引退の憂き目にあうことは必至である。民間企業で景気がいいところは、数少なく、失業者吸収の余力は小さい。
麻生さんの人気挽回の逆転ホームランとなるかどうかはわからないが、ここまでやれば、多くの失業者は一息がつけるばかりか、麻生さんはやはり「実行・実現の人」であったという足跡は残せる。
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