★今、政府がとるべき緊急経済対策は、雇用保険の改正である。特定受給資格者と呼ばれる「倒産・解雇等により離職を余儀なくされた」、45歳から60歳未満で被保険者期間20年以上あっても、雇用保険の失業手当は最長でも330日である。被保険者期間1年未満の30歳以下の世代では、最長90日である。企業のリストラで集中砲火をあびるのもこの未熟世代と成熟世代であるが、実際に厳しい再就職前線に放り出されるのもこの2つの世代である。これまでのキャリアで転職先がおいそれと見つかるケースは少ない。そうこうするうちに、雇用保険の受給期間も終わり、後は日雇い派遣で食いつなぐ生活になってしまうようだ。当社の眼の前にあるセブンイレブン、夕方になるとどこからともなく、若い世代と中高年のオジサンの日雇派遣労働者が集まる。マイクロバスが来て、彼らはどこかに消えていく。
★朝日新聞11月27日号、「正社員にもリストラの波」という記事を掲載。日本IBM1000人、沖電気工業300人、金型加工機械のソディック、マンション開発の大京450人、若築建設100人、大豊建設150人、スーパーの西友350人、アパレルのレナウン300人・ルック150人、着物卸のウライ30人、健康食品のキリンヤクルトネクストステージ100人、運送業のトラステッイックホールディングス100人、製紙メーカの特殊東海50人、金融では日興コーディアル証券、中小企業金融のロプロ170人、続々と公表された上場企業のリストラはほんの氷山の一角である。あらゆる産業に、企業の大小関係なく同時多発する解雇、希望退職、人員削減は、加速化している。リストラする経営者にとっても、リストラされる労働者にとっても、去るも地獄、残るも地獄は急接近しつつある。
★もし、明察に富んだ政治家がいるならば、時限立法でもいいから、雇用保険の受給期間をせめて2年間、できるならば3年間の延長をはかるべきである。この2年から3年間でキャリアの蘇生、再生、新たなキャリア形成の支援教育プログラムに就いてもらうことができる。
遊ばせてはいけない。しっかり、キャリア・チェンジの学習機会を国や企業が支援する。これをもって緊急雇用創出制度と呼ぶ。駅前ノバ英会話教室に通えば教育給付金をあげますというような過去のバラ撒き政策であってはならない。
全国の学校、企業の研修センターを提供してもらう。教師は退職した「超老」エンジニアや元ビジネスマンがあたる。定額給付金の原資2兆円を緊急雇用創出金にまわす。自民、公明、民主党、どこの先生でもいいから、雇用危機、真剣に考えていただきたい。
★実際に、若い職業経験の少ない人は、心技体、すべてがアンバランスかつ未成熟である。30歳代でも、人生に真剣でないのか、技量がともなわない何とかオタクも結構多い。中高年のサラリーマンに到っては、率直に言って、リストラされるのもうなずける人も結構いる。ワードやエクセルが苦手ならば、ここは心機一転、調理技術とか植栽技術、ブロック工事や大工技能、介護ヘルパーなど心と身体を張った技能を磨く方法もある。これらの技能職業は慢性的に人材不足にある。
★キャリア・チェンジには時間が必要だ。石の上にも3年、基礎技能の習得3年、実務経験10年でプロになると、体験的に断言する。失業期間、3年間、人生を転回させるにはこの程度の時間が必要である。人生は長い。年金はさらに少なく、小さく、遠くなる時代である。生涯働く、技能と体力をジックリ作る。そして、これから3年過ぎれば、景気は徐々に回復、また回復してもらうことを願っていきたい。
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