★国の年金制度の問題は、国民がこの制度に抱く大きな不信である。焦眉の急は、この不信をどう拭うかにある。11月12日、社会保障審議会年金部会という審議会がある。「将来的見直し」と断り書き付きの「たたき台」というのが提示された。これは、厚労省官僚による作文であるから、これから、審議会の先生達がなんとなく論議して、なんとなく厚労省の意図する方向に流れていくものになる。その意味では、今後、我々の年金の将来を占う資料にはなる。
1.低年金、低所得者の年金の上積み策を導入。そのあり方として、次ぎのいずれかを政治家に選択してもらいたいのか、なんでもありのような内容列記になっている。
・自営業者やフリーターが払う国民年金保険料は現在、一律負担、一律給付。これを所得に応じた保険料にし、一律負担額に不足する分は公的支援という税金投入、満額の一律年金にする。
・基礎年金で低額年金者には一定額を保証。
・所得の低い単身高齢者に年金加給。
・全額を税方式の制度とし満額支給。
2.年金受給のための最低加入期間条件25年を短縮。
3.国民年金の納付さかのぼり2年時効の廃止。どこまでさかのぼりできるかは不明。
4.国民年金の加入年齢、現行20歳を18歳ぐらいに引下げ。
5.パート労働者は、週20時間以上、月額給与9万8千以上は、厚生年金強制適用とする。
6.育児休業期間中の保険料免除は、現在、厚生年金加入者のみに適用。これを自営業者やフリーターが加入する国民年金1号加入者にも拡大。
7.在職老齢年金の支給停止額の見直し。老齢厚生年金と60歳以降給与の合計が月額28万円以下なら、老齢厚生年金は全額支給。この支給停止額を引上げるのであろう。
8.標準報酬月額の上限は現在62万円。これを68万円、83万円、121万円に引上げる案とともに、高所得者の年金額も引上げられる。
・上限68万円で保険料負担は年間約163万円、年金額32.2万円。
・上限83万円で保険料負担は年間約199万円、年金額34.1万円。
・上限121万円で保険料負担は年間約290万円、年金額47万円。
・ただし、標準報酬月額62万円を超えた分の年金計算の標準報酬額は半分で評価減して年金計算する案も提示。
さて、ここに国民の年金不信を拭う方策があるかというと、はなはだ心もとない内容である。
このたたき台は改正案としてまとめられて、2009年の通常国会に提出されるのかどうかも不明である。現在なお急増する未加入・未納の問題に対して危機感も不退転の意気込みもない。
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