★厚生年金の標準報酬記録改ざん、6万9000件が発覚して驚いてはいけない。問題の本質は、被保険者個人の加入記録が本人が関知しなところで処理されてすまされるシステムにある。推察するに、標準報酬記録の記録の誤申請、改ざん申請、誤入力、修正放置、そして記録改ざんは枚挙のいとまがないのはずである。
例えば、某県の解散厚生年金基金で筆者が実際に見た厚生年金標準報酬記録の誤入力。連続して30万円台の年月日記録のなかに、突然3万円台の標準報酬月額。大幅な降格減給処分でもない限りありえない不自然な数字。この場合、推定されるのは社保庁の桁違い入力である。その当時の算定基礎届ないし月額変更届、もしくは賃金台帳の控えが、企業サイドにあれば十分な証拠となり、社保庁は訂正せざるをえない。しかし、多くの企業では過去数十年前のデータを保存していないケースが多い。社会保険関係書類の法定保存期間は2年となっている。
企業の心ある年金担当者は随分思い悩んだはずである。厚生年金基金解散、代行返上には、必ず、社保庁の加入記録と自社の加入記録との突合業務が前提となる。
ここで浮上した問題は、「ミスマッチ」という記録の不整合である。社保庁のデータが正しいか、企業のデータが正しいか。結果は、多くの旧厚生年金基金では、泣く泣く社保庁に屈服したという。企業のデータの方が明らかに正しいはずだが、解散、返上の日程は大幅に遅れます、という当局の脅しに社保庁データを追認した。
なかには、企業のデータを根拠に頑強に抵抗、社保庁データを修正させた企業もあった。これは、企業サイドに過去にさかのぼった明確なデータがあっての話である。
問題は、被保険者個人は、自分の報酬記録が企業と社保庁とのやりとりで、どう扱われていたかということを全く知らされずにいることである。
今回発覚した保険料滞納企業の被保険者加入記録の改ざん。不思議なことは、企業も社保庁も「あなたの記録をこう変更します」と、なぜ知らせることもなく済まされてきたかである。
加入記録は、企業の申請、社保庁の保険者決定、そして問題あれば企業と社保庁の「相対取引」で事なきこととされてきた。
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適格年金のやめ方