★リーマン・ブラザーズの経営破綻から一夜あけた16日、世界最大の保険会社グループ米国AIGが事実上、経営破綻。公的資金850億ドル、日本円にして8.8兆円(円ベース104円)が注入され、米国政府の公的管理会社となった。当面は、経営破綻から即・自己破産は免れたが、今後は会社そのものの解体、再編を避けて通れないのであろう。
総資産約106兆円、顧客数7400万件というから、これは文字通りモンスター企業である。米国クリントン大統領時代の元財務長官、ルービン氏は「来年にかけて金融市場は『パーフェクト・ストーム(超大型暴風)』に襲われる可能性がある」と警鐘を鳴らす、と朝日新聞9月18日号は報じる。
日本では、アリコジャパン、AIGスター生命(旧千代田生命)、AIGエジソン(旧GEエジソン←旧東邦生命)、AIU、アメリカンホーム、ジェイアイ傷害火災、富士火災を傘下におく。ついこの間までは、信用格付けトリプルAの立派な会社が、一転して経営崩壊の瀬戸際に追いやられた要因は、「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」にあるという。
「CDS」とは、金融機関が販売する商品が債務不履行になったときに、その元本部分を保証する保険のようなデリバティブ(金融派生商品)。
AIGは世界の金融機関と結んでいたCDSの「想定元本ベースは計4410億ドル(約47兆円)」(同紙)。AIGは契約した金融機関から保証料を取る代わりに、AIGの信用格付が大きく低下した場合には、現金などの担保を提供する。
「信用」を商品化したわけだから、「信用」リスクが増大したら、現金で「信用」リスクを補填しますということになる。有り余るキャッシュ・フローがないと、なかなかできない「信用」商売である。
サブプライムローンや通常の住宅ローン債権を仕組債にした証券商品としては、「CDS」がきわめて便利な保証保険として活用されてきた。
ところが、どうもAIG本体がこうした証券商品を大量に購入していた節がある。しかも、顧客の証券商品もクレジット・クランチ。ダブルで不良債権が増大。格付は当然に急落する。
その担保金支払いに要する緊急資金が9月17日時点で約150億ドル(約1兆6000億円)。
これが準備できずに公的資金注入を仰いだということは、総資産約106兆円もかかえるAIGの財務状況ばかりか、世界の金融機関がかかえる金融商品の瑕疵の拡大は計り知れないところまで来ている、と思って間違いない。
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