★企業型確定拠出年金では「自動移管者」と呼ぶようだが、本ブログでは敢えて「資産放棄者」と言う。その数が、2007年度末で11万9675人に達する。前年度からの伸び率は1.5倍というからまさに「急増」しているわけだ。この自動移管者の口座を管理する国民年金基金連合会の7月末の公表数字である。
企業型確定拠出年金を脱退(退職)後、確定拠出年金のない企業に転職した場合、6ヵ月以内に、個人型確定拠出年金に口座開設し、資産の移管手続きをしなくてはならない。
6ヵ月をこえて「資産放棄」したままだと、国民年金基金連合会の「自動移管者専用」口座に強制移管される。利息はつかないばかりか、毎月50円、年600円の手数料が引き去られる。
★確定拠出年金の制度メリットは、資産のポータビリティーにある。
A社を退職するとA社の確定拠出年金を脱退となるが、次ぎのB社に確定拠出年金があれば、積立資産はそこに「移管」され、運用を引き続きおこなうことができる。確定拠出年金のある企業に転職した人は、とりあえず制度メリットを享受できたことになる。
ところが、C社に転職したが、C社は厚生年金基金加入で確定拠出年金がないとなると、A社の確定拠出年金の積立資産は「移管」できない。
そこで、自分で銀行、生保などのウエッブサイトにアクセスして「個人型確定拠出年金」口座を設け、そこにA社確定拠出年金の個人別資産の移管手続きをしなくてはならなくなる。しかし、この手続き方法を多くの確定拠出年金加入者はよく把握していないか、面倒がってやらない。
なぜに資産放棄者11万9675人の急増は止まらないか?企業型確定拠出年金300万人の約4%に当るわけだから、すでに制度のモラルハザードは急激に増殖している。
まず、1人1人の積立資産が余りにも少額(50万円以下なら一時金清算可能)すぎる。
2点目は、自分で掛金も拠出できず、ただ口座管理料だけ払うバカバカしさにある。「個人型確定拠出年金」口座を開設しても、その口座管理料(移管金額によって無料もあるが、大方年5千円弱)は定額である。しかも、新たな掛け金拠出ができないような条件の人(専業主婦、確定給付企業年金・厚生年金基金しかない企業に転職、公務員になった場合)は、移管した少額の積立金をただ運用する「運用指図者」となる。
30歳のあなたが、50万円程度の年金積立金を年間利息0.6%程度の定期預金で運用指図したところで、口座管理料でパーである。投資信託で運用?現状では余ほどの「度胸」があるか、「物好き」でないと、まず考えない運用状況でもある。
3点目は、結構、大きな移管金、数百万円以上の人の場合である。
実際に見聞した50歳の人の話である。60歳まで国民年金基金連合会の「自動移管口座」に「凍結」しておいても、口座管理料は年間600円、10年で6000円。国民年金基金連合会=国の保証と考えれば、「貸し金庫」としては「最高に安い」。
確定拠出年金の定期預金が3%程度になったら、ぼちぼち「個人型確定拠出年金」口座を開設とのこと。この場合は、「資産放棄者」ではなく、確信的「自動移管=貸し金庫」者とでも名づけておく。
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