★これほどまでに人々に年金制度をわかりにくくさせている最大の元凶は、年金の制度用語にある。
5千万件の不明年金記録、国民の制度不信には、年金用語の隠語的難解さも起因している。
「ねんきん特別便」で国民年金加入期間480月と納付期間400月といった表示があるとすると、その80月の違いには、「カラ期間」が含まれている。ところが、「カラ期間」の説明はいささかやっかいである。
あなたのこの期間は「カラ期間」です、と言われて、それが「合算対象期間」であると理解できるのは、余ほどのネンキン・オタクである。国民年金の支給資格期間条件である「加入期間」に「合算」してあげるけど、年金計算の「実計算」には「合算」してあげないという「合算対象期間」、これを「カラ期間」と永らく呼んで来た。
「カラ期間」の条件については、13項目程度あるが、それがどういう意味で、なんのために、どんなメリットがあって、そうするのかは、これまたネンキン・オタクでないとわからない。
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まず、「カラ期間」という名称、正式には「合算対象期間」という呼名、この名称自体をもっと日常用語に変えるべきである。「カラ期間」は、「空っぽ期間」というイメージを喚起する。「合算対象期間」は、あたかも「合算」してくれて「年金額」が増えることを連想させる。
「カラ期間」、「合算対象期間」は、中国語風に言えば「受給資格最低条件非計算的有効期間」。庶民的感性でいえば「資格期間算入・計算除外制度」。それに該当する主だったケースをあげておこう。
<1>S36年4月以降の厚生年金加入期間(公務員期間も含む)のうち20歳未満と60歳以降の期間。
<2>S36年4月以前の厚生年金加入期間・船員保険加入期間。
<3>S36年4月まで継続しているS36年3月以前の共済組合の加入期間。
<4>厚生年金・船員保険で脱退手当金を受けてしまったが、S36年4月以降の期間(S61年4月以降の国民年金加入期間がある場合)
<5>厚生年金・船員保険・共済組合などに加入の片割れ(夫または妻)、またはそれらの年金受給者の配偶者で、S61年3月までの期間で保険料を納めず、「被扶養配偶者」であった期間。
<6>海外居住の期間。
<7>学生で20歳から国民年金に加入し、保険料を払っていない期間だが、平成3年3月までの任意加入期間、平成12年4月からの学生納付特例期間。平成3年4月から平成12年3月までは学生は強制加入であった。
<8>国会議員としてS36年4月からS55年3月までの期間。
※日本復帰以前(S47年5月15日)の沖縄に居住していた期間や、中国残留邦人、北朝鮮拉致被害者とその家族などは、「カラ期間」というより「保険料みなし免除期間」といった呼び方もあり、面倒見の良いはずの国民年金制度も、ますます、人々の頭を「空っぽ期間」にしてしまう。要は複雑怪奇な仕組なのである。
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