★全国民強制加入の基礎年金の土台が揺らぐなかで、2つの潮流が新聞社間の論争となっている。
火をつけたのは日経新聞で全額税方式を提唱。対する朝日新聞は現行の社会保険方式護持を主張。読売新聞社案というのは、その両社の中間的なもので税方式と社会保険方式を掛け合わせたようなもの。この中でも朝日新聞の社会保険方式護持派の梶本章・論説委員の論旨は、朝日新聞6月16日号の「どうする年金 3社座談会」という記事で知ることができる。
ほとんどが厚労省の年金政策のトレースだが、その言い分は今後の基礎年金論議のバリアーでもあるゆえに、それなりに検証する価値はある。
★まず、朝日新聞の「社会保険方式」護持には、幾つかポイントがあるが、本稿では6点ほどに絞ってみていきたい。ただし、本稿は2回に分けて論じる。
第一は、財源の配分方法である。慶応大の権丈先生が主張するのと同じように、「年金よりも、医療・介護、少子化対策の方に税を使う必要度が高い」(同紙・梶本氏)という、税金の配分優先度の違いを示す。そもそも、なぜ、歳入・歳出・特別会計の徹底洗い直しを強く主張しないのか、不思議である。
第二に、「未納が増えれば、短期的には収入が減り、年金財政は悪化する。ただ、未納期間がある人は受け取る年金額もその分少なくなるので、将来も支出も減る。長期的には財政への影響は限定的」(朝日新聞08年6月12日号「税か保険料か国のありよう」の記事)というように、
厚労省―社保庁がこれまで長く主張してきた「未納=無年金=年金財政に影響なし」論をトレースする。この論それ自体は間違いではない。しかし、この主張は、これまでの未納未加入の増大を奨励とまで言わないが、役人に業務の怠慢を蔓延させてきた根本である。さらには、国民福祉を基調とする国家年金の王道から外れる年金数理が、常に示すセコイ考えのオウム返しでしかない。
(本稿は明日に続く)
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