★㈱日本生活設計が支援する企業従業員のライフプラン研修、そこで出会う40代後半から50代前半の「資産状況」の「傾向と対策」に、この数年大きな変化がある。
Wインカム・NOキッズ(夫婦共働き子供なし)夫婦が、共に同じ会社で働き続け、同じような年収を確保し、住宅を確保し、3千万円から5千万円の金融資産を保有しているケースが珍しくなくなったことである。
Wインカム・NOキッズ(夫婦共働き子供なし)の夫婦。二人の手取り年収800万円という例で言えば、住宅ローン3000万円程度組んでいても、シッカリ倹約を持続しているケースで、50歳時の金融資産残高、3千万円クラスが珍しくなくなっている。
★“年金制度の拡充は、人々から子供持つインセテイィブを失わせるというパラドックスに社会は遭遇する”というような解析をしていたのは、経済学者ポール・クルーグマン教授だったと思うが、確かに、日本の現行年金制度の老齢給付に限っていえば、Wインカム・NOキッズ(夫婦共働き子供なし)の夫婦は、圧倒的に有利である。
★ワンインカム・2キッズ(片働き2人子供)の夫婦。夫の手取り年収700万円、妻はパートタイムで働いて100万円、夫婦で合計800万円。住宅ローンも年間の基礎生計費も前者と同じ。50歳時の金融資産残高、200万円から300万円あれば良い方で多くが限りなくゼロに近い。
Wインカム・NOキッズ(夫婦共働き子供なし)とワンインカム・2キッズ(片働き2人子供)の金融資産の差の大きさは、やはり子供の養育費、特に教育費が大きい。
★㈱日本生活設計が集計した平均的な教育費ー年間費用の水準を示す。
これは、授業料など定常的な費用の他に塾や習い事などの補助教育費も算入。ただし、入学金、下宿代、部活費、子供の小遣いなどは入っていない。大学の場合は、学部に関係ない平均。理工系だとこの平均に対して1.5倍から2倍と言われている。

★このデータで予測するに、一人の子供を大学まで育てあげる「コスト」を試算してみたい。幼稚園から大学まで一貫して公立学校で約1000万円、私立学校で約2000万円から2500万円となる。二人ともなると、その倍となるわけだ。人生50歳にさしかかり、ボチボチ自らの老後の準備と意を決するが、ここで子供の教育費と競合、哀しいかな多くの親は自らの老後準備は先送りとなる。
親が子供を「投資対象」と考えると、ハイリスク・ノーリターン、逆説的にいえば無限の苦労をもたらす「喜びの源泉」でしかない。されど、子供は親自身に明日を生きる力を与えてくれる未来からの風でもある。
せめて、国家や社会に望むことは、子供達が社会に溶け込むにあたっての寛容な機会、子供達が自由に紡ぎえる希望、そうした想像力を子供達が喚起できる仕組である。
残念ながら、親にとっても、子供らにとっても、現状はそうした国家や社会ではない。
暴発する子供達の狂気をみれば、子供達自身も子をもつリスクに思い到らざるをえないであろう。
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