★現在の定年後の継続雇用制度は、そのターゲットは団塊世代にあった。それでは、男性で昭和24年4月2日から昭和28年4月1日生まれ以降、ポスト団塊世代はどうなるのか?
まず、明らかなことは、この世代から老齢厚生年金そのものが段階的に65歳まで引上げられること。昭和36年4月2日生まれの男性からは、65歳満額支給が「完成」する。現在、企業従業員のライフプラン研修は、中堅40台半ば世代を受講対象とするようになってきた。しかし、実際に彼ら中堅達の多くは、前期60台の「厳しい現実」を深く洞察していない。まだ、やる気十分な世代ということもあるが、サラリーマン&ウーマン稼げる時間は、後10年しかない制約に対して、あまりにも無防備である。
★現在の中堅40代から50代前半世代、傾向と特徴を実際に遭遇している幾つかの実像から、平均的像を抽出しておこう。
1.比較的高学歴・晩婚という人多く、子供が22歳辺りで育ちあがる時、62歳から65歳ということになり、定年後の無年金時代に子供の教育費がピークとなる。
2.住宅取得が30代後半から40代前半、ほとんどが30年完済といった住宅ローンを組んでいる。多くが完済年齢65歳から70歳前後。しかも、5年固定金利から10年固定金利ということもあり、金利上昇モードに変転していく今後、返済額は急激に増大するリスクを抱えている。しかも、計画的な繰上げ返済計画をもっていない。借入をした時に高額賞与をえているケースの場合、賞与時返済額のウエートが高く、55歳辺りからの賞与減少、または賞与ゼロを想定していない。
3.「労働力人口は、2006年の6657万人から、2012年に6426万人、2017年に6217万人、2030年には5584万人に減少すると見込まれる」(厚労省2004年推計)というように、労働力減少は目に見えるものとなってくる。
しかし、今後の日本の20年先の雇用環境は不透明である。確実なことは、製造業の海外移転はさらに進むこと。労働力の70%を占める国内サービス業では外国人労働者の「移民的雇用」が一層浸透すること。
従って、今45歳の人が60歳を迎える頃、「本当に企業が求める技能」とマッチングするような「労働力商品」としての価値を進化しつづけていけるのか?また、永く勤めてくれたことへの福利厚生としての継続雇用を企業が準備できるのか?極めて怪しい。
4.60歳から65歳まで公的年金は無年金となる世代を支えてくれるのは、企業年金と個人金融資産となる。前期60台の生計費1500万円、後期60台からの予備資金として1500万円、合計3000万円。この程度の資金が長寿クライシスへの対応資金となる。
しかし、残念ながら、多くの中堅40代から50代の今後の資金積上げは、後1000万円ぐらいが不足しているのが現状。子供2人、住宅ローン残が2000万円といった世帯だと、ほとんどが60歳定年で預貯金200から500万円程度ということになる。
インフレ経済に変転しつつある時代、この程度の預貯金はあっと言う間に露となる。しかし、年に一回の家族海外バカンスなどをまだ続けている。
5.65歳から夫婦の年金で月額23万円と想定しているとかなり「ヤバイ年金」であることを想定していない。彼らが60歳を迎える2023年前後まで「年金マクロ経済スライド」という逓減調整が発動されると、現在の年金時価は約15%程度縮小する。
さて、こうした「夢」も「希望」もない未来の素描をすると、中堅40台から50代前半世代は暗い未来しかないようだ。しかし、1点、将来を確実にできるポジティブな利点を持っているのも彼らだ。それは、まだ、未来の生活に備える時間を十分持っていることにある。
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