★5千万件の不明年金記録は統合ができたのが、この4月末で541万件。未だ4553万件が未統合。
この6月からは、ほぼ記録統合が済んでいる受給者、現役加入者にも「ねんきん特別便」が郵送されている。
そんななか、久方ぶりに2つの社会保険事務所に行く。その体験ルポをお届けする。
訪問目的は入院中の母に来た「ねんきん特別便」にある記録のうち、国民年金納付記録の6ヵ月分未納期間の確認。
朝9時に東京郊外Y市にあるT社会保険事務所の行く。相談コーナーで待つ人、約120名。待つこと小1時間、後3時間待ちと知り、ここは諦めて帰る。夕方、今度は都内にあるS社会保険事務所に行く。ここは、15人待ちで1時間あれば、相談を受けられると伝えられるが、ようやくにして1時間半後に年金相談担当職員との面談とあいなった。それにしても、現在の社会保険事務所の「混雑」は、常軌を超えている。混雑と待ち時間は、大病院の外来診療並である。
★しかし、痛感したことは、社会保険事務所はもはや「リッツ・カールトン・ホテル」並みの優良サービス機関になりつつあることである。職員、サポートの社労士などの笑顔、受け答え、相談対応は、行政サービスの優等生である。
これは皮肉ではない。押し寄せてきた高齢年金受給者から酔っ払い叔父さんまで多種多様な個性の「全国民的年金不信」に健気に対応している風情は、感動的ですらある。
例えば、若い相談職員氏に「年金見込み額」を頼むと、プリントアウトされた「年額」を、わざわざ、「月額」に換算して、付記してくれる。
さらに、社会保険庁で再調査すべきことを実に詳細に記入、それを顧客に一つ一つ確認する対応は、なかなかのものである。従って、1件の相談時間は20分も30分もかかるようだ。
耳をそばだて隣のブースの相談内容をそれなく聞く。「退職金もない。年金も少ない。どうすればいいのか?」と相談する団塊世代らし夫婦にも、「大変ですね。でも、ここはなんとか仕事をみつけて働いていく以外ないのではないでしょうか?」と相談職員氏は優しく諭す。
実際にこれまでも社会保険事務所の相談コーナーでは、こうした光景はあったことでもあるが、現在の常軌を逸した「混雑」、異常なまでの社保庁職員バッシングを考えるに、社会保険事務所の末端の職員はよく辛抱し、頑張っている。
本誌ブログは一貫して、「5千万件年金不明記録」は、社会保険事務所の末端職員には責任はなく、こうした問題の所在を先送りしてきた厚労省―社保庁の歴代幹部、それを見過ごしてきた政治家の無関心にこそ問題はあると主張してきた。
最後に、夜7時半の社会保険事務所、相談を済ませた後期高齢者らしき老夫婦が、「ほんとうにほんとうにありがとうございます」と、職員氏にお礼を述べる姿がなんとも印象的であった。
年金お助けBOOK 2008-2009年版
適格年金のやめ方