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最悪期の約▲12兆円の損失をどう覚悟するのか?

★公的年金の積立金150兆円、このほとんどは、サラリーマン&ウーマンが加入する厚生年金のものである。現在、厚生年金と国民年金の給付費約40兆円、保険料収入25兆円、その差額15兆円は税金8兆円、運用収益7兆円強で埋め合わせていく。厚労省官僚達が描いた公的年金の100年プランの財政計画である。給付費のうち約15兆円強が国民年金の基礎年金拠出金としてゲットされる。制度の継続は、あたかも運用収益なくして成立しないかのように「仕組まれて」いるのが、ニッポンの年金なのである。ここから、厚労省年金官僚の「金融ビジネス」への野望、政治家達の「運用利権」への野望、この二つの野望のバトルが「改革」という名のもとで鍔迫り合いが始まったと見ることができる。経済財政諮問会議の年金運用論議のお粗末さは、この国の年金制度改革のドン詰まりそのものである。
最後に、公的年金の運用リスクが、どんな影響をもたらすのかを「予測」してみる。資産運用は、国がやろうが、企業年金がやろうが、個人がやろうが、リスクは収益の源泉とかいう前に、不幸に陥る確率、その備えへの警鐘としてとらえる。

★現在、公的年金の基本ポートフォリオ、資産配分の構成比は、期待収益率、リスクは下記の通り。同時に企業年金の総本山である企業年金連合会の資産配分計画も掲載する。

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ここで、公的年金150兆円の積立金、国民にとって、「ホンマ大丈夫なのか」と、その資産運用の未来を案ずる。まずは、リスクをどの程度見込んだ運用なのかということにつきる。

リスク5.55%は、
通常でも、期待収益率3.35%に対して-2.22%、金額にして▲3兆3000億円程度の運用ロスは覚悟ということになる。さらに、最悪期(2Σ)で-7.75%、▲12兆円の運用ロスは想定しておくことになる。

フツーの庶民が、資産運用といえば、この最悪期の運用ロスをどう家族に説明責任を果すか?と考える。我が家にこの程度のロスが生じてもキャッシュはそれ以上あるゆえ心配はいらない。この状態は100年に数回あるかないかのものだから、人生100年、ゆったり運用をしていればよろしいとでも思うものである。

ところが、現在の公的年金の資産運用には、そうしたゆったり運用をできるほどの国家的リスク許容度はない。もちろん、年金財政そのものに自律したリスク許容度などさらにない。150兆円の年金積立金を国家が運用する「思想」がないなどと野暮なことは言わない。年金積立金管理運用独立法人を隠れ蓑にして「市場運用」の拡大をもくろむ厚生官僚達、対する「一流のプロ」運用で一発ハイリターンを妄想する政治家や学者達から、リスクへの態度は聞かれない。

本質的には、公的年金の積立金の運用は、加入者個人に返還し、個人の運用に委ねるべきものである。年金積立金150兆円、本来が年金給付費4年分程度の給付ファンドである以上、とるべきリスクはより小さなものでなくてはいけない。

130ある企業年金基金のような資産配分を見習えという経済財政諮問会議の民間議員氏の言う通りにするとどうなるのか?その総本山の企業年金連合会の資産配分計画では、リスクの可能性は-5%から-14%、▲7兆円から▲21兆円のロスも覚悟しておいて頂戴!ということになる。なお、個々の企業年金基金は、総本山のような無謀な資産配分計画はしない。実際にはもっとリスクを押さえ込んだ配分計画が多い。

もちろん、プラス13%から22%も時にはあるかも知れない。しかし、運用の鉄則はリスクに見合った以上の破格の収益は、必ずしも、喜ばしいことではない。それ自体、さらなる大ブレの予兆でしかない。


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2008年05月30日 08:28に投稿されたエントリーのページです。

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