★社会保障国民会議(座長・吉川洋・東大大学院教授)の分科会は、国民年金の基礎年金財源を全額税方式化の試算を提示した。「年金制度の検討における定量的評価(シミュレーション結果)」というタイトルの報告書とバックデータは、首相官邸のホームページにある「社会保障国民会議」に掲載されている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyoukokuminkaigi/simulation.html
同試算は、09年度に基礎年金の国庫負担を現行の3分の1から2分の1にすることを前提に、3種のパターンを提示している。
A>現行の給付水準(月額6.6万円)を全員に一律給付。
B>過去の保険料未納分は減額給付。
C>過去の納付保険料は税方式基礎年金の上乗せ給付。
★全額税方式の3パターン(社会保障国民会議・資料より)
A:過去の保険料納付実績については、全く勘案せず、全員に税方式の基礎年金の満額給付を行う。
B:過去の保険料未納期間に係る分については、その期間分の税方式の基礎年金給付を減額する。
C:過去の保険料納付期間に係る分については、その期間分を税方式の基礎年金に上乗せして給付する。加算額については、①保険料相当額(C:3.3万円相当分)及び②給付全額(C‘:6.6万円相当分)の2パターンとする。
この場合、上記A、B、Cの前提として、①所得等による給付制限は行わず、全高齢者に同額を給付②給付水準は現行の基礎年金の水準(月額6.6万円でマクロ経済スライドを実施)と同じ③平成21年度から基礎年金のための保険料徴収を完全に廃止し、一斉に税財源に切り替える。
上記の3パターンの税財源は、09年度実施だと9兆~24兆円となる。消費税1%で約2.6兆円換算とすると、現行の5%に、3.5~8.5%を上乗せとなる。
★2004年年金改正時、同会議の議長である伊藤達也衆議院議員(元金融相)とは、共に議論した仲であった。その際に、厚労省に「年金100年安心プラン」の前提データを求めたところ、膨大な紙データ、誰も解析できないフォートラン仕様のデータを提示され、泣かされた苦い思いがある。
今回の試算には、使用したバックデータもエクセルベースでインターネットからダウンロードができる。年金改革のプロセスが、なにを根拠にしているのか、一歩、見えるものになってきた。
年金お助けBOOK 2008-2009年版
適格年金のやめ方