★厚労省の江利川毅事務次官は、9日、政府直轄の「年金業務・組織再生会議」で年金反省文を朗読。5千万件の年金不明記録問題をはじめとして「年金制度に対する信頼を損ない、国民に大きな不安、不信、心配をおかけした」(朝日新聞4月10日号)と言う。
その原因が、社保庁職員の人事上の「三層構造」にあり、「キャリア官僚が労働組合に対して迎合的になり」、「組織一体で記録管理に取組み姿勢が十分に取れなかった」と反省。
★「会社の不祥事は、すべて経営者が労働組合を甘やかし、会社一丸となって不正、怠業、横領をただす姿勢がとれなかった。どうもすいません」と反省文を読み上げて懺悔する経営者がいたとしたら、恐らく、罵詈雑言のなかでご退場となるのであろう。年金反省文はほとんどこの反省文と同じである。
★5千万件の不明年金記録問題は、思想の問題である。
過去60年間、膨大になりつつある年金記録は、終戦直後の保険局から社会保険庁になっても常に最重要な課題であった。
恒常的に記録確認をしていくプロセスが欠如していた最大の要因は、「請求ない限り払わず」派が本庁の業務思想になっていたところにある。
善良なる社保庁職員なら皆知っているはずである。台帳から機械入力、台帳突合、本人確認、本人聞き取り調査にまで及ばない限り、「完全な記録」とならない。こうした正しい業務を遂行させなかったのは、なにも社保庁組織の「三層構造」ではなく、「年金は本人が申し立てない限りなるべく払うな!」というこの国の年金思想である。
★年金は誰のものか?ここから、この国の年金制度思想を再構築しない限り、年金記録=受給権尊重に基づいた年金記録管理はできない。「バラ色の夢を与えてしまってすいません」(舛添厚労省)と言う軽率発言そのものが、この国の年金混迷を象徴している。
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